スーパー



スーパーはsupermarketの省略です。昔はそれを多くの人が知っていました。しかし今やスーパーは普通語になってしまい、略語と思っている人は少なくなりました。おかげでスーパーマンといえば、あの超人だけでなく、スーパーで働く人の意味まであります。しかし「超」という意味は残っており、スーパーホテルのように名称にしている会社もあります。しかし新幹線の超特急がsuper-expressという英語であることは意外に知られていません。「超」にはウルトラultra(アルトラ)という語もあるので、混乱があります。そのせいかどうか、スーパーマンに対してウルトラマンというのもあります。どちらも宇宙起源であることは共通で、変身することも共通ですが、変身した結果がかなり違うのは日米の文化差かもしれません。スーパーマリオはどうしてスーパーなのか、よくわかりませんでした。スーパーマーケットの方は、マーケットの訳が市場だということがわかれば、あとは想像できます。個人店はストアであり、市場は複数の店が軒を連ねるスタイルです。反対に1つの店をいくつかに区切って、いろいろな品を売るのがデパートメントストアです。こちらはデパートと略されました。日本ではこの商法スタイルの違いが理解されないまま導入されたため、デパートとスーパーの違いが曖昧でした。なんとなくデパートが先にできて老舗で格があるのに対し、スーパーは食料品中心で気軽な感じの安売り店のイメージをもつ方が多いと思います。そして昔の食料品店がスーパーを名乗るようになり、さらにコンビニエンスストア、略してコンビニが普及するようになってさらに境目がわかりにくくなりました。そのかわり、八百屋や果物屋、魚屋、肉屋がほぼなくなりました。八百(やお)は八百万というように、たくさんでいろいろ、という意味ですが、だんだん使われなく語かもしれません。ちなみに八百屋に相当する英語はglossary storeですが、glossaryは同じ意味です。日本では果物がフルーツショップ、魚屋がフィッシュショップ、肉屋がミートショップですが、果物屋を除きあとは和製英語です。魚屋はfishmonger、肉屋はbutcherです。パン屋がbakeryというのは知られていると思います。日本は商品に屋をつけるとそのまま店になるので、その感覚で、店をショップとすれば合成語がすぐにできるのですが、英語の方はそれとぞれ語源があり、別々の語になっています。今ではなった鍛冶屋はblacksmithというのですが、もうどちらも死語かもしれません。英語のclock smithが時計屋、wordsmithはベストセラー作家、locksmithが鍵屋など、smithがつく職業がたくさんあります。これは日本でいう職人のことだからです。「名もない」職人なので、スミスというどこにでもある、ありふれた名前で代表させています。日本語的には「屋」よりも「職」という方が合っているかもしれません。こういうありふれた日常語を学校で習うことが少ないので、現地に行くと戸惑うことがあります。だから「学校英語は役に立たない」ということになってしまいます。文化学習も含めて、こういう言い換えをどこかで勉強したいですね。

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