日本語のあいさつ


おはようございます

私たちは普段、無意識に「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」「ありがとう」「おめでとう」「すみません」などという挨拶をしています。どの外国語を学ぶ時も、まず挨拶を勉強します。つまり会話つまりコミュニケーションの基本だからです。そして意味はわかっていても、語源などには興味がいくことはまずなく、知ったところで何かが変わることは滅多にありません。しかしこういう日常語こそ、その言語の背景にある文化や歴史がわかります。
たとえば英語の「おはよう」がGood morning.なのは誰でも知っていますが、good=godであるという語源はあまり知られていません。「よい」という意味は神様とリンクしているのです。欧米の言語はほぼ同じ文化になっています。フランス語のBon jourのbonもラテン語の神様の意味です。なので、英語でgoodというところをフランス語ならほぼbonといいます。思想としては同じです。中国語の定番であるニイハオもハオは好でgoodと同じ意味なので、広く考えれば同じ思想です。もっとも中国語はシナ・チベット語族なので、類縁関係はほぼないといえますから、同じと考えるのは要注意です。他の言語も調べて見ると面白いのですが、日本語の「こんにちは」の語源は「今日は…」であることはどなたもごぞんじですが、「…」の部分となるとあやふやな人も多いようです。「今日はご機嫌いかがですか?」の省略と言うのが定説になっています。つまり疑問文だったのです。そういえば英語だとHow are you?ですから、ほぼ同じ意味です。昔の華族の女性などが「ごきげんよう」と言うのは、室町時代の宮中の女官が始まりだそうで、それが武家言葉になり、明治以降は山の手言葉になって華族など身分の高い女性が使うようになったそうです。ただしこの表現は出会いの挨拶でもあり、別れの挨拶にもなるので、そこが特異的です。ハワイの「アロハ」がそれに近いかもしれません。「こんにちは」は丁寧な表現がなく、「こんにちは、でございます」は変則的な表現です。それに対し「おはよう」の方は「おはようございます」という丁寧表現があります。「こんばんは」にも「ございます」はつけられません。「ございます」がつけられるのとつけられない文法規則には何か理由がありそうです。調べたところ、「一方「こんにちは」は、挨拶の一部として使用され、そのため、「今日(こんにち)はお日柄も良く…」と後ろに文をつけないと意味が伝わりませんでした。「こんにちは」と省略されるようになった理由は“遊郭”にあり、遊郭の遊女たちは遊びに来たお客に対して、「今日はお早いお着きでご苦労様です」ともてなしていました。しかしあまりにもかしこまった挨拶だったので、遊女たちは「こんにちは」に続く後ろの文を省略しました。つまり“親しみを込めたフランクな挨拶”として生まれた挨拶のため、「こんにちは」には「ございます」といった丁寧な表現はつかないのです。」という解説がありました。(https://www.lettuceclub.net/news/article/185431/)挨拶言葉には女官がでてきたり遊女が出てきたり、と日本文化のおもしろさがこういう日常に隠れているのがおもしろいです。

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