文化の違い
発音の違い、というより意味の違いで、注文の時に期待していたものと違うことが外国旅行ではよくあります。代表的なのが「ミネラル・ウォーター」です。日本では「ペットボトルに入っている天然水のようなもの」を連想されますが、日本以外では文字通り「鉱泉水」のことで、実際には鉱泉から獲っていなくても、「ガス入り」の水のことです。英語ではno gasとかwithout gasといえば、期待している「普通の水」がでてきます。この普通の水が豊富なのは日本くらいで、水道水が直接飲めるのは日本くらいです。海外だと泉が湧いていて、普通に飲める水にはわざわざdrinkableと書いて、観光にしているくらいです。河や川、池など水は濁っているのが普通で、飲めないどころかトイレにも使えないのが「当たり前」です。そのため煮沸したり、濾過するのが当たり前なので、部屋の水栓がそのまま飲めるのは高級ホテルだけです。国によっては氷もソ水道水を凍らせただけなので、日本と同じように食べるとお腹を壊したり、食中毒になることもあります。逆にそれに慣れた外国人が日本に来て驚くことの1つで、慣れていない外国人がペットボトルを買うのは当然です。むしろ日本ではなぜペットボトルが普及したのか不思議なくらいです。外国の会議場やオフィスではウォーター・サーバーが普通で、糖分を気にする人はこの水を重宝しています。日本では単なる水というよりも冷水や温水が飲めることがメリットと考えているのではないでしょうか。日本でも外国でもtonic waterは共通です。ただ欧米のtonic waterは日本の強炭酸水と同じで、何かに混ぜて飲むことが多いです。無論、炭酸好きの人もいて、水として飲む人も多いです。炭酸と似たようなシュワシュワ感を楽しめるものとして、日本ではビールがよく飲まれます。最近の若者はサワーというカクテル系が多いようですが、オヤジ層は「とりあえずビール」で「生」を頼む人が大多数です。ジョッキで生ビールを飲むという習慣はドイツから来たようですが、大びんの瓶ビールを頼んで、相手に注ぐという行為は日本独特です。これは酒を注ぐ、お酌をする、という古来の伝統が受け継がれているともいえます。外国にはこの大瓶がなく、個人用の瓶、いわゆる小瓶のみです。あくまでも人に注がず自分だけで飲む物だからです。ビールを飲む量も日本だと大ジョッキが1リットル、中ジョッキが500ml、小グラスが200mlのような感じになっています。缶だと500mlと360mlが普通です。ビールの本場の1つイギリスではパイントpintが基本で、イギリスのUKパイントは568mlです。ちなみにアメリカでは
USパイントは473mlです。大体500mlなので中ジョッキくらいです。日本でも店によりジョッキの中身の量は多少違うので、似たような感覚で大丈夫です。ピントと読まずパイントと読んでください。日本語のピントつまり焦点はfocusです。日本では今でも「ピントを合わせる」「ピンぼけ」のようなカメラ用語がありますが、これはオランダ語(蘭語)のbrundpunkt(焦点)のpunktが訛ったようです。クォートquartはpintの倍です。大ジョッキとほぼ同じです。
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