海外の新学期



9月1日は日本でも新学期ですが、海外のほとんどの国では新学年になります。日本だと新学年には入学式などがありますが、国によっては同様の日があります。新しいクラスになる国とクラスはそのまま持ちあがりの国がありますが、新しいクラス編成がある国では、新しい友達を作ったり、転校生があったり、ちょっとした興奮の日々になるのは、どこの国でも同じです。小学校から中学校へと学校が変わることが多いのですが、そうなると通学のパターンも変わり、環境も変わるので、子供たちにとっては興奮の日々です。中には中高一貫校で寄宿舎に入ることもあり、家族と別れ、一人生活をすることになるので、不安も大きいです。あのハリーポッターの世界が実際に展開するわけです。あの魔法学校は相当大きな学校らしく、寄宿舎がいくつもあって、対抗戦が行われるのですが、実際の学校では、必ずしも複数の大きな宿舎があるとは限らず、今でも男女別学の所もあり、宗教組織を基盤と下私学の伝統は今も守られているところが多いのです。公立校でも、特殊教育の学校、日本でいう特別支援学校では、生徒が広域から来るため通学が不可能であり、寄宿舎を持っているところが多いのが実情です。日本でも少し前までは、特殊教育の学校には寄宿舎が併設されていたことが多く、その集団生活の中で仲間意識やコミュニティが形成されてきたのですが、現代は障害児の減少に伴い、統廃合が行われ、寄宿舎も廃止されていきました。一方で、障害児は普通教育の中に統合する流れが強くなり、両親も特別校に入るよりも普通校に入ることを望むケースが多いため、子供のためよりは、大人の都合で特別校が激減する傾向に進んでいます。こういう世界ではよく「インクルージョン」という表現が使われます。インクルージョンは英語のinclusionから来ていますが、本来の意味は「包括する」ということです。福祉世界では「障害者が社会の中で自立し、充実した生活を送ることを支援することにあります。これは、障害者の権利の保護と促進を意味します。そしてインクルージョンは、障害者が社会の中で自立し、参加する機会を増やすことを目指します。これには、教育や雇用の機会の提供、社会参加のための支援が含まれます。」となっています。障害児が最初から普通校に入り、「平等な」教育を受けることが果たして本当にインクルージョンになるのか、という議論は今でも続いています。インクルージョンとマイノリティ・コミュニティは矛盾した概念でもあり、その折り合いはけっこうむずかしい問題です。世界の現状は普通校へのインクルージョンと特別校へのセグリゲーションの選択肢があることが多いのですが、日本は統一性を重視する官僚の思想が強く、選択の余地が狭いのが現状なので、新学期のたびに親は悩むことが多いのです。とくに将来の学歴を考えると、特別校は高校レベルまでであり、大学進学を射程に入れての将来計画をするのは難しい問題です。アメリカでは前日の8月31日は全国的な交通混雑になります。自動車大国ならでは、の風景です。日本は新幹線があるので、新学期の交通渋滞はありません。

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