敬礼について
軍人や警察、消防などの制服組では「敬礼」という独特の挨拶をします。日本の敬礼は、正式には親指を曲げないで真っすぐ伸ばすのですが、一般人は親指を曲げる方がやりやすいのか、その形が多いようです。その区別を知っていれば、詐欺に引っかかる可能性が減るかもしれません。
そもそも敬礼という言葉は、相手に敬意を表す行為を指します。この言葉の語源は中国古典にあり、漢語の用例として「敬意を表して礼をすること」とされています。仏教用語としては「恭敬礼拝(くぎょうらいはい)」が原語であり、仏や僧に対する礼拝を意味します。敬礼を英語で表現する場合、一般的には「salute」という言葉が使われます。この言葉は、主として動詞として「敬礼する」が使われ、名詞として「敬礼」を意味します。例えば、「The soldiers saluted their commanding officer.(兵士たちが司令官に敬礼した)」というように使われるのが普通です。英語ではこのように動詞表現が基本になっていることがほとんどです。日本における敬礼の歴史は、古代から続く礼儀作法の一部として発展してきました。特に、近代以降の軍隊においては、西洋の影響を受けた挙手の敬礼が導入されました。明治時代に西洋式の軍隊が整備されるとともに、挙手の敬礼が正式に採用されました。自衛隊においても、アメリカ軍の影響を受けた礼式が多く取り入れられています。明治維新前の日本における敬礼は、主に礼儀作法や武士道の一環として行われていました。敬礼の形式として、お辞儀が最も一般的な敬礼の形式で、相手に対して頭を下げる動作です。深さや角度によって敬意の度合いが異なり、深いお辞儀ほど敬意が高いとされました。座礼は、座った状態で行う敬礼で、特に武士や貴族の間で用いられました。正座した状態で上体を前に倒し、手を床につける形式です。合掌は、仏教の影響を受けた形式で、手を合わせて礼をすることです。特に宗教的な場面で用いられました。どれも見たことがあると思います。
昔、敬礼を表す日本語には次のような言葉が使われていました。礼(れい):一般的な敬意を表す行為全般を指します。拝(はい):特に神仏に対する敬礼を指します。合わせて礼拝(らいはい)ということもあり、現在も続いています。武士道の中では、敬礼は非常に重要な要素とされていました。武士同士の挨拶や、主君に対する敬意を示すために、厳格な礼儀作法が求められました。例えば、刀を持ったままの敬礼では、刀を左手で押さえ、右手で軽く頭を下げる形式がありました。これらの敬礼の形式や言葉は、明治維新後に西洋の影響を受けて変化していきましたが、基本的な礼儀作法の精神は現在も日本文化に根付いています。敬礼の形式は国や文化によって異なります。アメリカ軍では、掌を下に向けた挙手の敬礼が一般的です。イギリス軍では、陸軍と空軍は掌を前方に向け、海軍は掌を下に向けて敬礼します。フランス軍では、掌を前方に向けた挙手の敬礼が行われます。ボーイスカウトでは3本指の敬礼が世界共通に使われています。自衛隊では、掌を下に向けた挙手の敬礼が行われますが、狭い艦艇内では肘を張らない形式もあります。
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