面接について
「面接」という言葉は比較的新しいもので、旧日本海軍の軍人であった松田千秋が総力戦研究所のメンバーを採用する際に提唱したシステムが由来とされています。この言葉は、直接会って対話することを意味し、英語の「interview」に相当します。
面接そのものの歴史は意外に古く、面接に相当する行為は、古代から存在していました。西洋では、王や貴族が臣下や使者と直接会って話を聞くことが一般的でした。日本では、天皇や将軍に直接会うことは禁忌であり、誰かを通じて上奏することが慣例でした。近代になって、19世紀後半から20世紀初頭にかけて、産業革命の進展とともに、企業が労働者を採用する際に面接が重要な手段となりました。この時期には、面接が応募者の能力や適性を評価するための主要な方法として確立されました。20世紀になると、第二次世界大戦後、特にアメリカやヨーロッパで、面接技術が発展しました。心理学や行動科学の進展により、面接の方法や評価基準が科学的に研究されるようになりました。日本でも、戦後の高度経済成長期に企業の採用活動が活発化し、面接が広く行われるようになりました。現代ではインターネットやビデオ通話技術の発展により、遠隔地からでも面接が可能となりました。これにより、グローバルな人材採用が容易になり、面接の形態も多様化しています。
面接は、単なる採用手段としてだけでなく、教育機関の入学試験やカウンセリング、調査など多岐にわたる分野で活用されています。面接の目的は、書類や筆記試験では判断できない人物像や能力を直接見極めることにあります。よく似た言葉ですが、面接と面談の違い面接と面談は、どちらも「直接会って話をすること」を意味しますが、目的や形式に違いがあります。面接の目的は応募者の能力や適性を評価し、選考するために行われます。採用や入学試験などで使われることが多いです。形式としては、面接官が質問をし、応募者がそれに答える形式が一般的です。評価や選考が目的であるため、緊張感のある場面が多いです。それに対し、面談の目的は双方が意見を述べ合い、情報交換や相談を行うために行われます。例えば、学校の三者面談や職場での面談などが該当します。形式としては、立場の優劣がなく、対等な立場で話し合うことが特徴です。リラックスした雰囲気で行われることが多いです。
面接と面会もよく混同されます。面会の目的は単に人と会うことを指します。家族や友人との面会、病院での面会など、特定の目的を持たずに会うことが多いです。形式としても、非公式な場面で行われ、リラックスした雰囲気で行われることが多いです。話をすることが目的ではなく、会うこと自体が目的です。面接は英語で「interview」と言います。就職活動の面接は「job interview」となります。面談は英語で「meeting」や「interview」と言います。面会は英語で「meeting」や「visit」と言います。病院での面会は「hospital visit」となります。微妙に語が被っていますね。逆に言えば、英語を使い分けるには、目的と形式を知っていれば、きちんと使い分けられますが、まずは例文の練習で感覚をつかみましょう。
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