楽天とは


楊貴妃

楽天というと、現代では、スマートフォンとか野球を連想する人が多いと思います。そもそも、「楽天」という言葉の語源についてです。

「楽天」とは、心が朗らかで前向きな状態を意味します。漢字の「楽」は「楽しむ」、「天」は「自然」を指し、自然な楽しさや無憂無慮な気持ちを表現します。「楽天的」は、ポジティブで前向きな態度を意味しますので、その反対語は「悲観的」や「ネガティブ」です。これらの言葉は、物事を否定的に捉えたり、未来に対して不安を感じやすい状態を表します。楽天的は英語ではoptimistic、悲観的はpessimisticです。悲観的の反対語は楽観的という表現もあります。Optimistic はラテン語の「optimum」から来ており、これは「最善」を意味します。つまり、optimistic は物事が最善の方向に進むと期待する姿勢を指します。最良という意味でoptimalと言う形容詞もあります。「最適」と訳されることが多く、今は日常的に「最適化」とか「最適解」という専門用語も、とくにコンピュータ関係では見るようになりました。一方、pessimistic はラテン語の「pessimus」から来ており、これは「最悪」を意味します。pessimistic は物事が最悪の方向に進むと予想する姿勢を指します。Pessimalという形容詞もあり、最悪という意味ですが、最適の反対語は「不適当」というのですが、「最」のニュアンスがなくなてしまいます。「最不適」といえば言えますが、なんとなく、すわりの悪い日本語です。「最悪」はもう1つworstがあります。Pessimalとworstの違いは、 使用法として、pessimalはより技術的で正式であり、学術的または科学的な文脈でよく使用されるのに対し、worstはより用途が広く、日常的な表現で使用されます。 Pessimalはより中立的または客観的な意味合いを持っていますが、worstはより感情的または主観的なトーンを持つといえます。科学の世界では感情的な表現を避けるため、pessimalが使われるのですが、専門家しか使いませんし、実際の技術では最適な場合を選ぶので、目にすることは少ないです。しかし、リスク管理や経済予測では、最善の場合だけでなく、最悪の場合も想定するのが常識ですから、optimal, pessimalという用語を知っておくと便利でしょう。

楽天といえば、唐代の中国の詩人で、白楽天が有名です。本名は白居易(はく きょい)といいます。彼は庶民の生活や自然の美しさを歌った詩で有名です。白楽天の詩はその親しみやすさから広く愛され、現代に至るまで影響を与え続けています。白楽天の有名な詩の一つに「長恨歌(ちょうこんか)」があります。この詩は、唐代の皇帝玄宗と楊貴妃の悲恋を描いた長詩で、その感情豊かな表現が多くの人々に感動を与えています。「在天願作比翼鳥、在地願為連理枝」という一節は、天にあれば比翼の鳥となり、地にあれば連理の枝となる、という意味で、二人の愛がどんな境遇でも変わらないことを表現しています。比翼連理はいろいろな例えにでてきます。昔は常識でしたが、今は元を知らない人も増えてきました。枕草子に出てくる「香炉峰の雪」も白楽天の誌です。自薦の詩集『白氏文集』に収められています。

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