十日夜
旧暦10月10日の夜は十日夜(とうかんや)といって、昔は行事がありました。十日夜は日本の伝統的な行事の一つで、特に農村部で広く行われてきました。この行事は収穫を祝うとともに、田の神様に感謝を捧げるためのものです。十日夜の起源は古く、平安時代にまで遡るとされています。特に稲作が盛んな地域では、豊作を祈願するための重要な儀式として位置づけられていました。行事としては、田の神様への供物: 収穫した米や野菜を供え、感謝の気持ちを表します。そして、地域の人々が集まり、踊りや歌を楽しむことで、共同体の絆を深めます。川や池に灯籠を流し、先祖の霊を慰めるとともに、来年の豊作を祈願します。この十日夜に詠まれた和歌や俳句は、自然や季節の移ろいを感じさせるものが多くあります。
和歌として
「秋の夜の十日夜に寄す稲の香や豊穣の夢月に映して」(AI作)はいかがでしょうか。
俳句「十日夜や稲穂揺れて風の音」「灯籠の光揺らめく秋の川」(同)。
「十日夜の 月もおもしろ 雲の陰 心かさねて 見ればなおゆかし」(本居宣長)
「十日夜の 月のひかりや 浅みどり」(正岡子規)。
昔と今のどちらがお好みですか?十日夜に詠まれた和歌や俳句は、自然の美しさや季節の移ろいを感じさせるものが多く、古くから人々の心に響いてきました。これらの詩歌は、十日夜の情景を鮮やかに描き出し、現代に生きる私たちにもその美しさを伝えてくれます。現代においても、十日夜の行事は地域の伝統として受け継がれており、農村部だけでなく都市部でもその風習を楽しむ人々が増えています。十日夜は、収穫の喜びを分かち合い、自然への感謝を表す大切な行事として、これからも続いていくことでしょう。最近は、地球温暖化の影響で、秋の到来が遅くなってきています。日常の生活や行事や習慣も旧暦に合わせた方が実情に合っているような気がします。明治時代に旧暦から新暦に強引に変更したのですが、その理由は「西洋文明に合わせる」という名目で、実際は財政に困窮した政府が、官員の給料の支払いを遅らせるため、という理由だったことが今ではわかっています。政府が何かの名目で、裏では別の目的で制度を変更することは歴史的にしばしば起こりました。そのため国民の生活や行事、習慣、文化が破戒されてしまうことも起こりました。無粋な理由での制度変更は粋な習慣を壊してしまう、という歴史法則でもあります。とはいえ、庶民の文化は意外と深く根付いていて、そう簡単に壊れるものでもありません。微妙に内容は変化していきますが、したたかに生き残っていくものです。十日夜の月や雲を眺めながら、しばし、リラックスして、これからの行く末を考えてみるのも良いと思います。
こ十日夜は日本の農耕文化と深く結びついた行事であり、その歴史や風習、そして詠まれた詩歌を通じて、私たちは自然と人間の関係を再認識することができます。十日夜の行事を通じて、私たちは自然への感謝の気持ちを忘れず、豊かな心を育んでいきたいものです。
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