あわせる、を考える
「あわせる」という語にはいろいろな漢字が充てられています。
「合わせる」の意味は「物事を一緒にする、組み合わせる、整える」などを意味します。例: 力を合わせる(ちからをあわせる)です。語源: 「合」という漢字は、二つ以上のものを一つにすることを示しています。
「併せる」の意味は「複数の物を一緒にする、統合することです。特に、異なるものを結びつけることを強調します。例: 力を併せる(ちからをあわせる)。語源は「併」という漢字は、元々「並べる」「合わせる」という意味があり、複数の物を一つにすることを示しています。
少し形が変わりますが、「合わす」だと意味は同じ意味で使われることもありますが、特に意識して行動を一緒にすることを強調します。例: タイミングを合わす(たいみんぐをあわす)です。
ではそれぞれの日本語に対応する英語を考えてみます。「合わせる」は combine: 異なる要素を一つにすること。例: She combined the ingredients.(彼女は材料を合わせた。)やmatch: 何かに合わせる、調和させること。例: He matched the colors perfectly.(彼は色を完璧に合わせた。)です。農業で使うコンバインはこの意味ですし、最近はやりのマッチングはこれです。
「併せる」の対訳は merge: 二つ以上のものを統合すること。例: The companies merged to form a larger entity.(企業が統合して大きな組織を作った。)です。アメリカの高速道路では、この単語をよく見かけます。「合流」の意味です。交通用語として覚えておかねばならない語です。また unite: 一つにまとめること。例: The organizations united their efforts.(組織は努力を併せた。)もよく使われます。アメリカ合衆国がUnited States of Americaであり国連がUnited Nationsであることは常識として知っておくべきです。アメリカは州の連合体なので、合州国と書く人もいますが、その方が英語の意味に近いといえそうです。
「合わす」はsynchronize: 同じタイミングや動作に合わせること。例: They synchronized their watches.(彼らは時計を合わせた。)シンクロナイズド・スイミングで有名になった単語ですが、日本ではシンクロという略語として技術関係などでよく使われています。他にもcoordinate: 調整して同じ方向に向けること。例: The team coordinated their actions.(チームは行動を合わせた。)コーディネイトもファッション関係などで、よく使われている単語です。日本語では「合わせ鏡」といいますが、二枚の鏡を向かい合わせに配置して、無限に続く鏡像を作り出す現象を指します。この現象は「無限鏡」とも呼ばれ、鏡像が際限なく続くように見えるため、不思議な視覚効果を生み出します。英語では「合わせ鏡」を"Infinite Mirror"や"Infinity Mirror"と表現します。特にインテリアデザインや芸術の分野でよく使われる用語です。Infiniteは無限ということです。着物に「あわせ」というのがありますが、これは裏地のある着物のことを指します。裏地が付いているため、厚みがあり、保温性が高いのが特徴です。春や夏には裏地がない「単衣」(ひとえ)が着られます。季節に応じて着物を変えるのも日本文化です。
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