いのる、を考える
「いのる(祈る)」は、日本語で「神や仏に祈りを捧げる」という意味を持つ動詞です。語源は古代日本語に遡ります。古代日本語の「いのり(祈り)」は、神々や霊的存在に対して感謝やお願いをする行為を指していました。この行為自体が、日本の宗教的文化の中で重要な役割を果たしてきました。古代・中世: 古代から中世にかけて、「いのる」は主に宗教的な文脈で用いられていました。神道や仏教の儀式や日常の信仰生活の中で頻繁に使われていました。江戸時代には、「いのる」の用法が広がり、個人の幸福や家族の健康など、個人的な願いごとにも用いられるようになりました。近代・現代: 現代では、宗教的な意味合いだけでなく、試験の合格を祈る、スポーツの勝利を祈るなど、クイズの正解を祈る、宝くじの当選を祈る、広範な場面で使われるようになっています。さらに、他者の幸福を願う意味でも頻繁に使われます。しかし、誰にお願いしているのでしょうか、漠然とした「神様」のような気がします。これを宗教と考えるのかどうかは議論が分かれそうです。祈りの方法は確かに宗教や文化によってさまざまです。それぞれの信仰体系には独自の儀式や習慣があり、その違いを理解することは非常に興味深いです。日本で一番多いのが仏教ですが、心を落ち着けるための瞑想や、仏や菩薩の名を唱える念仏が一般的です。寺院での儀式的な祈りもあります。神社での参拝の方法として、神道ではまず手水で清め、お賽銭を投げ、二礼二拍手一礼の作法で祈りを捧げます。昔はかなりバラバラでしたが、近年はマスコミが広げたせいか、作法を守る人が増えました。作法を守らないと、お願いを聞いてもらえないと思う心理があるのかもしれません。キリスト教は2つに分かれます。カトリックでは、典型的にはロザリオを使った祈りが行われます。ミサでは、祈りや賛美歌が神に捧げられます。額、胸元、左、右と十字を切るのは、カトリックの作法です。女性が膝を曲げることもよくあります。プロテスタントでは、カトリックの作法を外した 自由な形式の祈りが多く、個々の信者が日常生活の中で神に直接語りかけます。手を合わせたり、握り合わせることもあります。イスラム教では、祈りをサラート(礼拝)といい、 1日5回、決まった時間にメッカの方向に向かって祈ります。礼拝の前に清めの儀式(ウドゥー)が行われます。このため、最近、日本でも礼拝所を作り、メッカの方向を示した印があって、礼拝のための敷物が敷いてあるスペースを置くところが増えました。またハラールという宗教的な清めを施した食品も知られてくるようになりました。ヒンドゥー教においては、プージャという、家庭の祭壇や寺院で行われる儀式で、神々に対して花や食べ物を捧げます。マントラ(聖なる言葉)を唱えることも多いです。ユダヤ教では、ナゴーグでの祈りがあり、ユダヤ教の祈りは、特に安息日や祝日の集会で行われ、トーラー(律法書)の朗読が含まれます。このようにそれぞれの宗教に独自の祈りの方法があり、神聖なものなので、お互いに尊重することが大切です。それを理解しない人が増えているのも問題です。
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