美しい、を考える
「美しい」というのは、よく使う言葉ですが、個人的な感覚であり、何がどう美しいのかは個人差が大きい評価語彙です。
「美しい」という言葉の語源は古い日本語に遡ります。「美」は古代中国の漢字で、もともとは「羊」という意味を持ち、後に美しさや立派さを表すようになりました。日本では、漢字「美」が使われ始める前から、音としての「うつくしい」という形容詞が存在し、後に「美しい」と書かれるようになりました。
平安時代の文学作品には、「うつくし」という形で「美しい」が使われています。『枕草子』や『源氏物語』では、人物の見た目や自然の風景の美しさを表現するために頻繁に使用されました。
鎌倉時代から室町時代にかけて、「美しい」は「うつくしき」として詩や歌に用いられ、宮廷文化の中で美意識が重視されました。江戸時代には、町人文化の発展とともに「美しい」の用法も広がり、特に浮世絵や俳句などの芸術作品で多用されるようになりました。
今日では、「美しい」は自然の風景、芸術作品、音楽、人物、心の美しさなど、広範な対象に使われています。また、形容詞としての「美しい」だけでなく、「美」として名詞的に使われることもあります。意味の広がりを考えると、視覚的な美しさ:例えば、美しい風景、美しい絵画、聴覚的な美しさ:例えば、美しい音楽、美しい声、心や行いの美しさ:例えば、美しい心、美しい行動のように視覚、聴覚、行動のようなカテゴリに分類できると思います。
「美しい」に相当する英語の表現にはいくつかあり、それぞれが異なるニュアンスや文脈で使用されます。
Beautiful:視覚的な美しさ:例:a beautiful sunset(美しい夕焼け)人物の美しさ:例:a beautiful woman(美しい女性)、抽象的な美しさ:例:a beautiful mind(美しい心)の意味があります。これが、日本人が最初に浮かぶ訳語です。しかし、ときにはGorgeous:豪華な美しさ:例:a gorgeous dress(豪華なドレス)、素晴らしい景色:例:a gorgeous view(素晴らしい景色)のような訳になります。Lovely:愛らしい美しさ:例:a lovely smile(愛らしい笑顔)、心地よいもの:例:a lovely day(素敵な日)もあります。日本人には難しい語ですが、Stunning:圧倒的な美しさ:例:a stunning performance(見事な演技)、驚くほど美しい:例:a stunning landscape(息を呑むような風景)もあります。Attractive:魅力的な人物:例:an attractive person(魅力的な人)、引きつけるもの:例:an attractive offer(魅力的な申し出)などや、Elegant:洗練された美しさ:例:an elegant solution(洗練された解決策)、上品さ:例:an elegant lady(上品な女性)もあります。Charming:魅力的な様子:例:a charming smile(魅力的な笑顔)、親しみやすさ:例:a charming town」親しみやすい町)もあります。他にもstylish, pretty, fascinating, sophisticated, handsome, elegant, gracefulなど多くの訳語がありえます。英語でも、「美しい」に相当する言葉は多様で、それぞれの文脈や感情に応じて使い分けられます。これらの語の感覚は実際の文章において学ぶしかないので、多くの文学作品を通じて学びましょう。
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