冬至の行事
冬至になると、いよいよ年末が近づいたという気がします。冬至は二十四節気の1つで、この後、小寒、大寒と続いて立春になります。つまりこれからさらに寒くなるぞ、ということです。一般的な感覚では、一番寒いのが真冬で、それが冬至だと思われがちですが、これは日照の関係だけで、1年間で太陽高度(太陽の位置)が最も低くなる日であり、北半球では1年間で日の出から日没までの日中が最も短くなる日です。確かに日照は温度と関係がありますが、寒さの原因はむしろ北から来る高気圧、通称、冬将軍の南下にあります。また冬至を境に太陽が生まれ変わり、陽気が増え始めるということで、この日を新年としたり、祭りをする文化もありますが、古代中国の先天・後天八卦論においては、冬至時点ではまだ陰の氣が陽の氣を上回っており、1年の切り替わりは陽の氣が陰の氣を上回り始める立春とされています。古代中国では冬至を含む月を「子月」と呼んでいました。「一陽来復」(いちようらいふく)という表現もありますが、これは、冬至を意味し、悪い事が続いた後で幸運に向かう事、陰気が極まった後に冬至を境に陽気に向かう、という意味です。「一陽来復」は「旧暦5月の夏至に陰が初めて生じてから冬至になり、7ヶ月経って陽が戻ってきた」という意味で用いられました。陰と陽の考え方は、古代中国が元になっており、冬至は陰が極まる日とされていました。冬至を過ぎると、その後日が伸びる一方なので再び陽が来ると言われていたのです。この意味が転じて、「悪いことが過ぎ去ればいい方向に向かうこと」の意味でも使われるようになりました。今はこちらの意味の方が広がっています。縁起を担いで「一陽来福」と書くこともあり、これは福にかけた言い換えです。お守りには両方あるようです。例によって七十二候もご紹介しておきます。それぞれの候の行事は今も続いています。
初侯:乃東生(なつかれくさしょうず)「仲夏に枯れた夏枯草(ウツボグサ)はこの頃に芽を出し始める。」という意味です。「冬萌え(ふゆもえ)」といい、冬の暖かい日、陽だまりの下で木の芽や草の芽が出ていることを表す言葉で、俳句では冬の季語。冬枯れした草木の上に雪が積もった情景でも、よく見れば、ところどころに鮮やかな緑が交じっていて、春への準備が進んでいることに気づく頃とされています。この時期の野菜は南瓜(かぼちゃ)です。この時期の行事として柚子湯(ゆずゆ)もあります。冬至のつきもの、と考えがちですが、その日だけではありません。
次候:麋角解(さわしかのつのおつる)「大鹿のオスの角が抜け落ち、生え変わる頃。装いを新たに新年を迎えたい。」という意味です。この時期に年末がやってきます。この時期には気温が氷点下になり、零度以下になった水滴が、冷えた樹木に付着し、凍り付いたものが樹氷になります。年越し蕎麦が細く長いことから、長生きという意味を込めて大晦日の夜に食べます。
末候:雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)「雪で覆われた大地に麦が顔を出す。麦は秋に種をまいて、2年後のこの時季に芽吹く。」この時期から正月になります。
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