110番の日


コラム挿絵:110番通報のイメージ

1月10日は語呂合わせで、110番の日です。この記念日は、110番の適切な使用を推進しようと、1985年(昭和60年)12月警察庁が定めました。なぜ110かというと、昔はダイアル式の電話機で、最初は一番時間が短い1の組み合わせが考えられたのだそうですが、数字が近いため間違える人が出て、1と1から遠い0の組み合わせに決まったのだそうです。プッシュボタン式になっても原理は同じですから、やはり110が便利で覚えやすいといえます。類似する日本の緊急通報用電話番号の語呂合わせの記念日として118番(海上保安庁)の日、119番の日があります。ちなみに理由は同じなのですが、アメリカでは911が緊急電話です。ヨーロッパも911の国が多いようですが、999の国もあるそうです。緊急電話は警察も消防も一緒になっていて、とくに警察だけに電話したい時には別の番号がある地域もあります。緊急電話はいたずらでかけると、偽計業務妨害罪になります。また最近では、119番ほどの緊急性はなく、それでも医療的な相談をしたい時、つまり、急な病気やけがをして、病院へ行くか、救急車を呼ぶか迷った時には7119(緊急相談センター)があります。緊急応急措置などを教えてくれます。

関西ではこの日が十日戎(とうかえびす)で、通称「えべっさん」として戎神社が賑わいます。十日戎の起源は、江戸時代に遡ります。元々は農村部で、豊作を祈るための行事として始まりました。特に、稲作を中心とした農業地帯で盛んに行われていました。十日戎の行事内容は地域によって異なりますが、一般的には戎神(えびす)の祭りとして、戎神を祀り、豊作や商売繁盛を祈ります。また、舞台やパレードがある地域もあり、地域の子供たちや大人たちが伝統的な衣装を着て、舞台やパレードを行います。そして、縁起物やお守りが販売され、家庭に持ち帰られます。有名なのは福笹で、竹の枝に色とりどりの装飾品を付けて飾られます。福笹は、力強い竹の象徴から「まっすぐに伸びる」という願いも込められています。通常、福笹には五色の紙片が飾られ、これは 繁栄や幸運を祈るためです。銭袋は金運を象徴する小さな袋です。そして熊手は運をかき集めるためです。関東で年末に行われる酉の市の熊手とよく似た風習です。十日戎の行事は地域ごとに異なる習慣や伝統があります。例えば、大阪では「えべっさん」として知られる戎神像が中心となり、多くの人々が参拝します。一方、兵庫県の姫路では、歴史的な城下町でのパレードが特徴的です。戎神は恵比寿とも書かれます。戎神は日本の七福神の一柱で、商売繁盛や豊漁の神として信仰されています。伝説によれば、戎神は耳が遠いとされています。このため、参拝者はお賽銭を投げ入れるだけでなく、「えべっさん、聞こえてまっか?」と声をかけたり、手を叩いたりして、しっかりとお願いを伝えようとします。また、戎神の持つ大きな笑顔と優しい性格から、多くの人々に愛されている神様でもあります。この伝説や風習は、戎神が人々に親しまれ、近しい存在であることを象徴していると考えられます。

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