世界教師の日
10月5日はworld Teachers‘ Dayです。1966年に国際連合教育科学文化機関 (ユネスコUNESCO) と国際労働機関 (ILO) により「教員の地位に関する勧告」が採択されたことを記念して1994年から開催されています。世界教師の日は「世界中の教育者の立場を認め、評価し、改善する」ことに焦点をあて、教師や教育に関連する問題を検討する機会となることを目的としています。とくに日本の教師は今や受難の時期で、新しく教師になろうという人が激減しており、将来の日本が心配です。教師のなり手が少ないのは勤務時間の長さだけでなく、事務作業が多かったり、課外活動など授業以外に費やす時間が非常に多いのが特徴です。あるデータによると、日本の教師の1週間当たりの平均勤務時間が53.9時間、そして授業に使った時間が31%という数字があります。これは世界で比べてダントツの1位です。平均勤務時間の第2位が44.8時間で、授業に使った時間が44%(4位)授業に使った時間の第2位が韓国の35%ですが、韓国の平均勤務時間は37.0時間で第4位です。日本の教師がいかに苛酷な環境かということがわかります。(https://teachers-day.jp/concept参照)
一方で平均賃金を世界で比べるとOECD加盟国32カ国第10位です。(http://top10.sakura.ne.jp/OECD-TEACHERS-T1D.html)韓国は第8位で日本より上位です。これは勤務経験のある15年目の教師の比較です。ドル換算なので円安の今はさらに低くなります。初任給は2021年で、小・中学校教師が大卒20.4万円、短大卒が18万円、高校教師は大卒が20.4万円、短大卒が17.7万円で、会社員とほぼ同じです。教師になるには教員免許が必要なので大学時代にはそれなりの勉強時間を卒業単位習得以外にしなくてはなりません。授業以外の活動の中にはPTAとの相談に費やす時間があり、モンスターペアレントに遭遇すると教師自身が精神を病むことになります。また教師の平均賃金はあくまでも全体平均なので、高齢者が多く年功序列だと平均は分布を反映していません。さらに問題なのは臨時教員が多いことです。臨時教員の待遇はさらに悪く10万そこそこが平均のようです。
教師一人当たりの小学校の生徒数は開発途上国と先進国には大きな開きがあります。多い順にならべると135カ国中81位で平均15.66人と昔よりは改善されてきたものの、欧米は概ね10-14とまだまだ生徒数は多い方です。中学以上になれば数は増えていきます。教師には大学も含まれるのですが、私立大学の多い日本は学校差が大きく待遇も差があります。私立大学では非常勤講師数が多く、教師の授業以外に費やす時間の比は差がさらに大きいです。それが研究ならばよいのですが、事務作業なので大学教育の衰退は目を覆うばかりです。
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