世界郵便の日
10月9日は世界郵便の日World Post Dayです。郵便に関する国際機関である万国郵便連合(Universal Postal Union:UPU)が1969年に「UPUの日」として制定し、1984年に「世界郵便の日」と名称を変更しました。1874年全世界を一つの郵便地域にすることを目的に万国郵便条約によって万国郵便連合(UPU)が発足しました。本部はスイスの首都ベルンに置かれています。最も古い国連の専門機関の一つです。日本は1877年(明治10年)にアジア諸国として初めて加盟しました。
UPUでは次の3点が合意形成されました。①地球上のほぼすべての域から固定料金に近い形で郵便物が送れること。②国際郵便・国内郵便(内国郵便)がともに同様の扱いがなされること。③国際郵便料金は、それぞれの国で徴収し、使用すること。特に切手を貼った郵便物については、どの国家の切手でも国際的に通用することをUPU憲章で決められています。日本の郵便は 明治4年(1871)3月1日(新暦4月20日)、東京・大阪間で官営の郵便事業が開始されました。江戸時代までの通信手段としては飛脚制度があり、その業務は藩からの免許制で家代々行われていました。直接人が伝達する早駕籠とか早馬という特別なものもありましたが限られた人だけです。明治6年(1873)日本で最初の官製はがきが売り出されました。料金も全国均一制を採用し市内用半銭、全国用1銭と庶民にも利用しやすく瞬く間に普及しました。
現代では電子メールが普及し、スマートフォンでメッセージが無料で瞬時に送付できる時代になり、郵便が激減しました。年賀状がその典型といえます。
郵便の英語にはpostとmailがありますが、postは郵便の他に柱、職、地位という意味もあり、mailには鎖かたびら、動物のうろこ、甲羅という意味もあります。Postとmailの違いは概ね英国ではpost、米国ではmailという使い分けになります。それで日本では電子メールといい電子ポストとはいいません。英語のblackmailは黒手紙ではなく脅迫という意味で、その語源は日本でいう「みかじめ料」のような山賊などに襲われないように出すお金という意味からです。そもそもmailの語源は財布とか鞄のことで、鞄一杯に手紙を詰め込んで運んだことから来ています。Postの方は元の意味は柱状のものを指し、投函用の筒が起源です。日本語では郵便ポストという形で残っています。アメリカの新聞社にワシントンポストとかニューヨークポストというのがありますが、ポストには元々政府への不満などを投書するという意味があることから、この社名がつけられています。郵便というと日本語では名詞しかないですが、英語ではpostもmailもそのまま動詞になります。こういう名詞と動詞が同形であることがよくありますので、英語学習の参考になさってください。
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