World Standards Day
10月14日は世界標準の日World Standards Dayです。複数形standardsになっていることに着目してください。この日は、アメリカ機械学会 (ASME)、国際電気標準会議(IEC)、国際標準化機構(ISO)、国際電気通信連合(ITU)、電気電子技術者協会(IEEE)およびインターネット・エンジニアリング・タスク・フォース(IETF)などの標準化団体で標準規格を策定する何千人もの専門家の努力を称える日です。規制当局、業界、消費者の間で、世界経済において標準化することが重要であるという認識を高める目的です。25か国の代表者が初めてロンドンに集まり、標準化促進に焦点を当てた国際組織の設立を決定した1946年10月14日に由来するそうです。国際標準化機構(ISO)は翌年の1947年に設立されました。ISOは工業製品などで時々見かける記号です。加盟団体を見ればわかるように、工業や通信業界の関係者が集まって決めた標準で、これがないといろいろな機械やシステムを組み上げていくことができないのです。標準または規格は分野ごとに決められているので複数形になっています。
しかし兵器などは規格が統一されている場合もされていない場合もあります。同盟軍の間では武器のやり取りができるように統一しますが、敵に獲られても使用できないように敵方とは統一しません。また最新の電子機器などは必ずしも統一されておらず、たとえばスマートフォンでもiPhoneとその他では統一されていません。家電製品でも充電器を使用するタイプのものではジャックの形状やプラスマイナスの位置などバラバラで各メーカーが独自に開発し共通化を敢えてしないようになっています。そのため充電器をいくつも所有する消費者にとっては迷惑な慣行が今も続いています。
基本的なエネルギーである電気の電圧もプラグの形状もまだ不統一のままです。日本ではサイクル数も東と西で分かれたままです。すでに普及してしまっている場合、統一というのはどちらかを廃止することにつながるので利害が一致せず、不便でもそのまま維持することになります。日本のサイクル数の違いは明治時代に発電機が異なっていたことがまだ続いているわけで、変換は可能になっても統一はできていません。
統一がもっとも難しいのが言語と宗教と領土で、実質上、統一は不可能といえます。どれも排他的であり、統一は一方が他方を併合することになるので、戦争になってしまいます。また日本人は比較的世界標準に素直に従う傾向にありますが、欧米では自分が標準と考える人が多く、米国ではworld standard=American standardという主張が目立ちます。今でもヤードポンド法が幅を利かせているのはそれが原因です。それ以前はworld standard=English standardでしたが、フランスは独自のstandardを提唱していました。この社会現象はまだ社会の奥深くまで浸透しています。
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