グレゴリオ暦



1582年10月15日ローマ教皇グレゴリウス13世はそれまでのユリウス暦から改良された新たな暦法を採用しました。これが現在も使用されている暦法です。日本では明治5年に導入され、明治5年12月2日の翌日を明治6年1月1日とし、明治6年をグレゴリオ暦1873年として今日まで続いています。グレゴリオ暦の紀年法はキリスト教紀元を用いていますから、日本はこの時からキリスト教文化の一員になったともいえます。紀年法というのは何を紀元とするかによって種類があります。日本では神武天皇即位を紀元とする皇紀もありましたが、今ではほぼ無視されています。戦前に建てられた神社や墓地には今でも残っています。令和4年は皇紀2682年です。
イスラム文化圏では第2代正統代理人ウマル・イブン・ハッターブが、預言者ムハンマドがマッカからマディーナへ聖遷(ヒジュラ)を紀元としたユリウス暦622年をヒジュラ暦が使われています。東南アジアの仏教国では釈迦の入滅を紀元とした仏暦があり、仏滅は紀元前544年ですが翌年を仏滅元年としています。ユダヤ教では神が世界を創世した日とされる西暦換算で紀元前3761年10月7日を紀元とする紀年法がありユダヤ暦と呼ばれています。神が世界を創造された日は意外に近いのですね。
これらの紀年法は毎年数字を重ねていくだけなので永遠に続きますが、日本でも用いられている元号は有限なシステムです。今は天皇が替わる時に一緒に変わりますが、昔は吉凶や天変地異、疫病流行などで人心を一新するために変更されました。日本では干支による紀年法も今でも用いられています。60年で1周する有限ですが、元号と併用することで年は特定できます。明治以前の古文書では元号と干支の併記で書かれていたので、今でもグレゴリオ暦や皇紀に換算することが可能です。グレゴリオ暦の前のユリウス暦は1年を365.25日としていたので、4年に1度の頻度で1日(0.25××4=1)が余るためそのずれを調整する目的で閏年が設けられます。ユリウス暦は400年間で100回の閏年があります。実際に地球が太陽を1周する時間は365.2422日なので1年間でさらにずれが生じます。0.25日は6時間で、0.2422日は5時間48分46秒になるので、ユリウス暦では1年間に季節と暦に11分14秒のずれが生じてきます。その結果、計算すると128年後に1日の誤差が生じます。では同様な計算をグレゴリオ暦に当てはめてみると0.2425日=20,952秒、実際のずれは0.2422日=20,926秒で1年間で26秒。1日=86,400秒なので、1日のずれになるのは86,400÷26=3323となり1582+3323=4905となり、西暦4905年まで閏日は必要ないということになります。現在の科学では1年=365.242189日であり、26秒より1秒ほど少ないので、5038年とさらに先になります。誰も経験できないので確かめようがないですが。

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