Rochester (ロチェスター)

Rochester
手話学研究旅行の最後の目的地はロチェスターです。日本から観光に行く人は少ないと思いますが、ロチェスター大学は連邦からの支援だけでなく、コダックや医療のボシュロムなどの大企業があり、今も半導体やエレクトロニクスの会社があって、そこからの支援もある裕福な大学です。そしてRochester Institute of Technology という工科大学の中にNational Technical Institute for the Deaf(NTID)という聾者のための工学部があります。ここをモデルにしたのが日本の筑波技術短期大学(現筑波科学大学)です。NTIDはRITの9つの学部の1つという位置づけになっています。
ここは教育内容的にも、ギャロデット大学のような手話だけで講義をするわけではなく、通訳をつける、あるいは工学的支援による情報保障をしています。日本の実情と比べて重要な点は、アメリカには、聾者大学としてギャロデット大学があり、ここは文系大学です。そして講義がすべて手話で行われます。カリフォルニアのCSUNは州立の総合大学で、聾学生はNCODから手話通訳とノートテーカーが派遣され、どの講義にも参加できます。そしてNTIDは工科大学の中の学部として、手話で行われる講義もあれば、手話通訳が同行する講義もあります。
つまり全米的には選択肢が3つあり、まず専門課程が選べること、手話による情報保障も選べる点にあります。それに比べて、日本は選択肢は2つで、一般大学でボランティア手話通訳サービスのある大学を選ぶか、筑波技術大学か、の選択です。手話通訳レベルでいえば、アメリカはプロの手話通訳者ですが、日本は学生手話サークルによるサービスなので、レベルに相当の差があります。CSUNでは希望すれば、先輩学生による個人チューターが付き、手話通訳とノートテークだけでは理解が不足する場合の指導も行われています。
ノートテーカーとチューターは学部生か大学院生のアルバイトですが、その担当科目について、Aの成績を取得済であることが条件となっています。日本の場合は、同じ科目を履修する同級生であることが多く、科目内容の理解は不安定です。表現は悪いですが、日本の場合、「一応情報保障をしている」という程度で、学生ボランティアには交通費(別のキャンパスのこともあるため)が支給されることがある、という程度の保証です。政府からの補助はまったくない、ということではなく、一定の割合が在籍する大学には補助金もでているようですが、あくまでも学生ボランティアが前提であり、プロ通訳が導入されている例は稀有です。日本の関西学院大学には手話学を専門課程とする学部がありますが、情報保障に手話通訳は導入していないようです。ノートテーカーなどの文字による情報保障だけのようです。プロの手話通訳を講義に導入するには、まだハードルが高いようです。筑波科学大学では、技術職員として、行事や講義の一部に手話通訳が付く他、電話リレーサービスにより遠隔通信での連絡ができるようです。日本は大学だけでなく、外部からの支援に協力的ではない独特の閉鎖性があり、それが障害者支援にも影響していると思われます。
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