私が思う米国史

これまでアメリカの有名都市をご紹介してきました。今回から、歴史もご紹介しようと思います。ある国や地域を知るには、その土地の文化を知ることが第一ですが、その文化を形成してきた地理的条件や歴史を知ると、より深い理解が得られます。
歴史というのは、教科書で習うものは政権が都合のよいように書いたものであり、政権が変わると内容も変わります。日本は太平洋戦争により、その経験を味わいましたが、実は明治にも大きく変わっています。そしてその国の隣国や、支配された国では当然、別の視点の歴史があります。歴史とは絶対的な事実ではなく、事実をある視点から「切り取って」記述したものです。そして政権の英雄がデフォルメされたり、捏造されたりすることもよくあります。そうしたことを前提に、私が現地で学んだり、後日調べたりしたことを、私の個人的解釈でご紹介します。捏造はしませんが、時には偏見があることはご容赦ください。「そういう見方もあるのか」という感覚で米国史を見ていただくとよいと思います。無論、私は歴史家ではないので、深い考察も資料調査もしていません。まあ旅行記の一つくらいの感覚で気軽に読んでいただければ幸いです。
アメリカでは多くの歴史教科書は「コロンブスのアメリカ大陸発見」から始まります。日本のアメリカ史も同様だと思います。この歴史にはいくつかの問題点があります。まずコロンブスは本当にアメリカ大陸を発見したのか、という問題です。彼は大陸には上陸しておらず、サン・サルバドル島(現在のバハマ付近)に到達しましたが、彼自身は「インド」に到達したと信じていました。この誤認が長らく「新大陸発見」として語られ、伝説化しました。そのため、先住民に「インディアン」という屈辱的な名前が付けられたという歴史があります。欧州人が北米大陸に上陸した歴史は古くからあることが確認されており、ノルマン人(いわゆるバイキング)が10世紀頃に上陸して探検したという説もあり、その痕跡があるそうです。実際に白人が北米大陸に入植するようになる前は、先住民がいたわけで、その先住民の歴史はかなり複雑です。そもそもアメリカ先住民と一括りにできる存在ではなく、いわゆる「インディアンとインディオ」と「エスキモー・アレウト人」がいます。一般に、アメリカ州への先住民族の移住は1.アメリンド、2.ナ・デネ、3.エスキモー・アレウトの3波が存在したと考えられています。そして、インディアン/インディオの祖先は、約2万5000年前にシベリアに進出したモンゴロイドで、当時は最終氷期の最盛期で、現在のベーリング海は陸地のベーリンジアになっており、ユーラシア大陸からアラスカに歩いて移民できたとされています。英国人による「アメリカ建国」が今年で250年という期間を考えると、その前の先住民の時代の方がはるかに長かったのです。
現在、移民問題で国家が分断される騒ぎになっていますが、どこからが移民なのかという定義さえ基準が曖昧です。なんとなく「白人の欧州(旧大陸)からの移民」が最初のような理解が広がっているので、それ以前にやってきた人を先住民と呼んでいますが、その視点がそもそも白人の視点ということになります。現状では、約2万5000年前に「移住」してきた人々が「最初の人類」ということにはなっていますが、それ以前に別の人類がいなかった、という証拠も明確でなく、現在、DNA研究などで真実の解明が研究されている段階です。
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