霜月



今年の11月24日は旧暦霜月朔日です。日本列島は南北に細長いので、地方によってはもう初霜が降りた所もありますが、多くはこれからです。旧暦では月名に異名がありますが、霜月にもいろいろあります。仲冬(ちゅうとう)というのは、陰暦だと10月から12月が「冬」なので、11月が、冬の真ん中の月になるためです。神来月、神帰月(かみきづき)は先月の神無月に、出雲にお出かけになっていた日本各地の八百万の神々がお帰りになる月だからです。神楽月(かぐらづき)というのは、神様に舞や歌を奉納する「神楽(かぐら)」が、冬至の頃に盛んに行われていたからだそうです。雪待月(ゆきまちつき)は冬支度をして、雪を待つ月ということから「雪待月」です。風流な呼び名ですね。霜月(そうげつ)はあえて「そうげつ」と読んで、霜と月の光の情緒を表現する呼び名です。日本らしい優雅で美しい情景が浮かびます。

そのほかの別名・異称があり、建子月(けんしづき)というのは霜月が子の月で十二支の最初なので、1年がこの月から始まるという意味です。そこで江戸時代から霜月1日に歌舞伎の「顔見世」を行うようになったといわれています。

顔見世とは、年に1回役者が交代し、新しい顔ぶれで興行を行うことです。当時の歌舞伎界では役者の契約は1年間で、11月から10月までの定めでした。歌舞伎の正月ともいえる重要な行事となっていて、今日まで続いています。現在は所により10月や12月に顔見世興行の所もあります。劇場の正面に役者の名前が勘亭流で書かれた看板が掲げられ、その順番が二枚目(美男)、三枚目(道化)といった表現の語源になっています。

辜月(こげつ)という異名は語源が複雑で、あるサイトでは「易の考え方によれば、11月は陰が極まっていた10月が終わり、陽が兆し始める時期にあたる月である。この月は、十二支の最初の子の月にあたる月であるから、これまでの古い部分を改め、物事を新しいものに変えてゆくことを欲する月でもある。そのためこの月は「これから新しく生まれ変わるべき古い月」という意味を込めて「故月」と呼ばれていたのだが、その「故」の文字が同じ発音や部首を持つ「辜」の字と混用されてしまったために、結局「辜月」と表記されるようになったのである。」と説明されていますがhttp://rainbowvortex.blog.fc2.com/blog-entry-149.html)なんともわかりにくいです。
他に霜見月、陽復というのもあります。陽復は一陽来復つまり冬至のことです。

霜月

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