St. Lucy’s Day (サンタルチアの日)
12月13日は聖ルチア祭の日です。日本ではあまり知られていませんが、クリスマス前のアドベント(待誕節)が始まるころに行われる楽しい祝日です。西方教会では重要な聖名祝日でスカンディナヴィア諸国と南欧が主として伝統的行事としています。16世紀にグレゴリオ暦が改訂されるまで聖ルチア祭は北半球の冬至の日であり、スカンディナヴィア諸国では12月13日に一家の中で年長の少女が祝祭に参加します。少女は聖ルチアに扮してロウソクの冠を被り、ロウソクを手に持ち、同じ扮装をした少女たちと一緒に行進します。ロウソクは、生命を奪うことを拒む火の象徴です。少女たちはナポリ民謡『サンタルチア』のメロディーを歌いながら部屋へ入ってきます。日本でもよく知られているあの曲です。この歌はナポリの美しい港の情景を歌ったものですが、北欧諸国の詩ではルチアが闇の中から光と共に現れたという内容になっていて各地域の言語で歌われています。行進の際にはクリスマス・キャロルや、その他の聖ルチア祭の歌も歌われます。
北欧諸国がかつてカトリックを信仰していた頃、聖ルチア祭の夜は他の聖人たちも同様に祝われていたのですが、1530年代の宗教改革で他の聖人の祭りは途絶えました。ユリウス暦では聖ルチア祭の夜は一年で最も夜が長く、雪が降る前の11月と12月の夜は非常に暗く長いことから、闇から光が現れたという考えが特に北国で伝統的に支持されてきました。聖ルシア祭では伝統的なロールパンの一種、Lussekatt (ルチアのロールパン)というサフラン入りのパンを食べます。
スウェーデンの聖ルチア祭は夕方から夜にかけ、騒々しいことで知られ、高校生などは、しばしば夜通しパーティーを開いています。北東イタリアででは、聖ルシアは良い子には贈り物をくれ、悪い子には石炭をくれるという聖人として、特に子供に人気があります。子供たちは聖ルチアに捧げる食べ物(サンドイッチや、時期の料理)はないか尋ね、聖ルチアが贈り物を運ぶ手助けをするよう、空飛ぶロバの人形を用意します。子供たちは贈り物を配る聖ルチアを見ることができません。誰かに姿を見られたら、見た者の目に灰を投げて盲目にしてしまうという伝説があるからです。
北欧諸国やドイツからの移民が多いアメリカ福音ルター派教会では聖ルチアの聖名祝日に着古した赤い式服を着てもてなすことになっています。スカンディナヴィアの行進の時の古い伝統にのっとって祝われているのだそうです。
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