小正月
今年は新暦2月1日が旧暦1月1日ですから、旧暦との換算が簡単です。2月15日が旧暦1月15日で小正月です。小正月は祝う地域も少なくなり、祝う地域も新暦でしているようです。旧暦では小正月はかなり大切な期間で、14日から16日というのが普通ですが、次の満月まで、とする地域もあったそうです。
そもそも正月とは文字通り最初の一カ月のことですが、今では正月三ケ日だけの意味になっています。そして7日に七草粥を食べて、そこまでが松の内とする風習が広がっています。旧暦では小正月までを松の内とし、この期間に松飾や注連縄など、祖先の霊をお祭りしてきた飾りを火で焼いてお清めするのが、どんど焼きです。どんど焼きというのが広がっていますが、左義長という古称が残っている地域もあるそうです。
どんど焼きの火で枝の先につけた餅を焼く習慣は今でも残っています。小正月の飾りは枝に小さく丸めた餅を張り付けた餅花です。ほぼ同じものですが、柳や水木に丸い飾りをつけた繭玉というのもあります。これらの飾りは今では新暦小正月や正月三ケ日に飾るように変化した地域もありますが、本来は旧暦小正月の風習で、名の通り養蚕業にとっては繭の願うものです。餅花は米の豊作祈願ですから、いずれも五穀豊穣を祈願するものです。正月三ケ日は小正月に比して大正月ということもあり、祖先の霊や歳神をお迎えする祝日ですが、小正月には火を焚いて飾りを焼くという風習は、お盆に迎え火と送り火をする感覚と同じなのかもしれません。
小正月は別名女正月という呼び名もあって、大正月の女性は来客のもてなしなど忙しかったので、小正月は女性がゆっくりするという期間だったそうです。地域によっては男性が代わりに料理をする、という習慣もあるそうです。昔は「男子厨房に入らず」といい、男性が台所をウロウロすることはみっともない、ということでしたが、今では料理男子がオオモテで、料理が上手な男性と結婚したいと公言する女性も増えてきて、年中女正月みたいになってきました。
小正月の食事は小豆粥を食べる習慣です。以前も書いたように赤い小豆は邪気祓いの意味があり無病息災祈願です。古来、中国では冬至に小豆粥を食べた風習が平安時代に日本に伝わり、それが小正月の食べ物に変わったそうです。韓国では今でも冬至に小豆粥を食べるそうです。ネットで見ると韓国の小豆粥は甘くないぜんざいのような感じです。日本の小豆粥は御粥に小豆を入れた感じになっています。作り方はネットで探してください。先に小豆を茹でておく、煮汁をとっておくなど、ちょっとだけ手間がかかります。疫病が流行っている昨今はぜひ小豆粥を食べてみてはいかがでしょうか。
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