水の日



3月22日は世界水の日、World Day for Waterです。日本は世界でも稀な水が豊富な国で、世界の多くが水に困っています。日本の水はほとんどが軟水ですが、欧米は硬水のことが多く、日本人が飲むとほぼお腹の調子が悪くなります。それで欧米では昔から飲用水を売っており、瓶詰めやペットボトルの水が売られているのが当たりまえです。たまに道路や公園に水飲み場があるのも水道水の多くがそのままでは飲めないことが多いからです。日本でも最近は水を買って飲むことが増えましたが、以前は井戸水や水道水をそのまま飲んでいました。地域によっては売ってる水よりおいしい水道水が供給されていることもあります。このことだけでも自然に感謝しないといけません。

日本ではかなり山奥でも水道がきていて、あるいは山の水を引けば水に困ることはありませんが、例えばアメリカでは、住宅地開発に必要なことは水資源の確保で、いわゆるデベロッパーは砂漠のような広大な荒地を買い占め、川から水を引く権利を買い、運河を作って窪地に貯水池を作ることから開発が始まります。そしてその湖の周辺がいわゆるウオーターフロントで、湖でマリンスポーツ施設を作り、水上のレストランのような施設を作って、街づくりをした住宅地を販売するのです。かなり巨大規模の開発になります。日本の不動産業者がデベロッパーと名乗るのと規模が違います。日本でも昔は田園調布開発とか軽井沢開発のような大規模なものもありましたが、最近は大きな古い家を壊して、小さな家を数軒建てて売るようなものが多くなりました。

ところでwaterという英語は動詞もあることをごぞんじでしょうか。Please water them.といえば「植物に水をやってください」ということです。Water them while I am out.という表現はどれも簡単な単語でできていますが、意味はかなり意味深の時があります。「私がいない時も花に水をやってね」ということなので、一緒に住んでいた恋人や妻が出ていく時のセリフなのです。訳す時にはいろいろ単語を補わないといけない高度な意訳文になります。
またJapan has many waters.日本にはたくさんの池や沼などがある、ということなのですが、waterに複数形があるのです。普通の水は物質名詞なので複数形はないのですが、普通名詞にもなり、その時は単なる水ではなく、池のように数えられるものと考えるのです。
英語では物質名詞だけでなく固有名詞も複数になることがあります。White Christmasという歌ではMay your Christmases be white.という下りがあり、これはこれからやってくる何回ものクリスマスという意味を表しています。最近ではWorld Englishesという表現もあり、英語は英米だけでなく豪州やカナダ、南アフリカ、インドなど英語が公用語でしかも違いがあります。それらの総称なのですが、現在ではシンガポール英語、フィリピン英語など独自の言語体系をもつものも英語として扱われ、その中に日本英語も入っています。日本人が卑下する日本式英語は独自の発音と語彙と文法をもっていることが知られており、日本に来て日本を研究する人には日本語と同時に日本英語も学習する必要があると考えられています。言い換えると日本英語は英語世界では話者が1億人もいる言語であり、日本人はそれが理解できているわけですから、もっと自信をもって活用すれば外国人にも十分理解される、ということをまず日本人が理解すべきです。そろそろ英米語だけを崇拝する時代は過ぎ去り、世界はお互いに少しずつ違いのある英語を共通語として認識すべき、という時代になっています。簡単にいえば訛を気にしない、ということです。そして日本英語を認めると同時に、英語風日本語や中国語風日本語も国際語として認めるという思想が大切です。World Japanesesなのですね。間違いはさらっと水に流しましょう。

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