世界気象デイ
3月23日は世界気象の日World Meteorological Day.です。メテオロジーが気象。メテオロロジカルというと舌を噛みそうな名前です。英語ではミ―ティーアララジーと発音されることが多いので、これも日本式発音といえます。日本人はローマ字を習うので、書いてあるままをローマ字風に読むため日本英語があるわけです。別にこれは悪いことではなく、アメリカは移民が多く、イギリス風の発音ができない人がたくさんいて、日本同様書いてあるままを読むようになりアメリカ英語として定着しています。なので日本人も書いてあるままを読めばいいわけです。たとえばdataですが、日本ではなぜかデータといいますが、アメリカ英語ではダータとラテン語の原語のまま読むのが普通です。NATOは日本ではナトーですが、英語ではネイトウです。このように発音のルールは一定ではないので、日本英語でも理解されますし気にしない方がいいと思われます。
メテオロジーのメテオmeteorは流星のことです。直訳なら流星学となるところです。ところが語源であるギリシアでは天体観測は今でいう気象観測も天体観測も空を見上げて観測することは同じですから、語源が流星学なわけです。今は別の科学になっている天文学はastronomyといいます。気象という訳語は明治時代に作られたようで、大気現象を縮めたそうです。この「気」という日本語は実に意味が広く、人間の気分だけでなく、空気のように物理現象にも使われます。雰囲気のように漠然とした状況にも使われます。雰囲気は英語ではatmosphereですから、気象を英語で直訳するとatmospheric phenomenaとなりイギリスでは気象をこういいます。イギリス英語とアメリカ英語では発展の経緯が違うので、こうした微妙な違いがでてきます。明治時代はイギリス英語の影響が強かったので、気象という用語がイギリス英語の訳として定着し、戦後アメリカ英語が入ってきて、現代のような訳語に変わったと推定されます。天文はastroですが宇宙飛行士はastronautといいます。日本の鉄腕アトムはアメリカではAstroboyと名前が変わりますから宇宙少年なわけです。宇宙飛行士はspaceman,cosmonautと呼ばれることもあります。日本で天文学的数字といい巨大な数字を表現しますが、astronomical figures(numbers)の訳語です。原語を知らなければもう日本語になっていますね。
気象と似たような分野に天気予報があります。英語ではweather forecastといいます。天気と天候はどう違うかというと、天気とはいわゆる空模様のことで晴れ、曇り、雨などのことです。それに対し天候とは一週間とか一か月とかやや長い期間の天気の状態を示すと定義されています。しかし英語は同じweatherです。気象予報士の英訳はweather forecasterのようなので、もう訳がわからないほど混乱しています。日本語は天気について昔から敏感に言葉を使い分けてきましたが、農業の影響が強いのでしょう。
天気予報はお国柄が明確に出てきます。海外旅行をするとテレビの天気予報は地域と天気と温度くらいです。ハワイのような島だと〇〇ではにわか雨が何時頃にある、とか役立つ情報が伝えられます。またアメリカの竜巻情報は平原なので来る方向も時間もよく当たります。
日本では当たり前の桜開花予報とか紅葉前線のような報道は海外にはない独特なものです。どこそこの公園の桜の木の芽が出たとか、何輪咲いたとか、こういう情報を流しているのは日本人にとって祭りの都合もあって重要なのです。また花粉情報とか洗濯情報などかなり細かな情報を流すのも日本の天気予報の特徴で、外国人が驚く日本の習慣の1つです。鹿児島では噴煙情報があり風向きで灰が飛んでくるかどうかは重要な情報なわけです。
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