クリスマス・イブ



日本ではなぜか24日にクリスマスをする家庭が多く、チキンとケーキを買ってくるのが常識になっています。これは正に「日本の常識」です。そもそもイブはeveningつまり前夜ということです。25日がクリスマスでChristmasとはChristはキリスト、masはラテン語で祭りの意味ですから、直訳すればキリスト祭です。そもそもキリストは苗字ではありませんが、その話は長くなるので別の機会に。クリスマスはキリストの誕生日であることは子供でなければ知っています。しかし誕生日の前夜を祝うというのはおかしくないですか?普通は誕生日そのものをお祝いします。その意味を知るにはキリスト教を知らねばなりませんが、そこはスキップして、簡単に説明します。「もろびとこぞりて」というクリスマスソングはごぞんじと思います。漢字で書くと「諸人挙りて」で「みんなで集まって」という意味です。原詞のLet every heart prepare Him room.を実にうまく訳しています。気になる方はぜひ英語版をご覧ください。こういう聖歌をクリスマス・キャロルといい、子供たちが家々を回って歌を歌うことをキャロリングといい、昔の子供たちの楽しみでした。前夜祭は楽しみの日なのです。

日本で食べるチキンはアメリカのターキー(七面鳥)の代用品です。クリスマス・イブのアメリカではチキンがまったく売れません。そこで考えたかの有名なチキン屋さんが日本に仕掛けた商品です。それ以前にもレストランではターキーの代わりに出していたようですが、大々的に「チキンの日」にしたのはチキン屋さんと、最近のコンビニです。ヨーロッパは基本的にロースト・ビーフの国が多いのですが、北欧では鹿肉とか豚肉とか普段食べないごちそうのこともあります。

クリスマスケーキといえば、今はブッシュドノエル(ノエルはクリスマスのフランス語)のようなものも増えてきましたが、日本ではストロベリーデコレーションケーキです。これも不思議ではありませんが?冬にどうして苺があるのでしょう。今ではそのために苺農家では温室で育てて、この日に合わせて出荷しています。それもケーキに映えるような形のものにして。本末転倒とまでいいませんが、不思議な「日本の常識」です。これも某有名ケーキ屋さんが始めた商習慣です。

戦後の風物として、駐留軍がクリスマス・イブにパーティをしている(NHKの朝ドラでもありました)のを真似て、キャバレーでお父さん達が三角帽を被ったりして飲んで騒ぐというのがありましたが、今ではすっかりなくなりました。

こうしてみると日本のクリスマス・イブはアメリカの影響とそれを真似した商法の結果根付いた習慣だということがわかります。

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