世界知的所有権の日



4月26日は世界知的所有権の日World Intellectual Property Dayです。知的財産が日常生活で果たす役割についての理解を深め、発明者や芸術家の社会の発展への貢献を記念するために、世界知的所有権機関 (WIPO) が2000年に制定した記念日だそうです。またこの日に会わせて「世界知的所有権機関を設立する条約」が発効しました。内容は「中小企業支援機関マップ」「テクノロジー・ブランド・農作物・文化および先住民族知識」「ドメイン紛争解決」などですが、そもそも日本ではWIPOについてほとんど知られていない状況です。世界知的所有権機関及び世界各国で種々の記念行事が開催され、特に中国では大々的なキャンペーン等が行われ知的財産を保護する姿勢を内外にアピールしていますが、実施となると疑わしいところです。一方、日本では「世界知的所有権の日」を記念する行事は盛んではないです。日本でも特許などの争いは多いのですが、アイデアを尊重する気風は強くないと思われます。形にならないと価値がない、と考えている人が多いでしょう。ましてアイデアに投資するという考えもないように思われます。よく社内でアイデア募集というのが行われますが、採用されて利益が出て初めてわずかな賞金が出る、という程度です。実際、ノーベル賞をもらえるレベルの発明で会社がかなり利益を上げてもボーナス程度ですから、訴訟になるのも無理はないです。頭脳の海外流出の原因は日本の企業側にあり、個人のモラルに責任転嫁するのはおかしな風潮です。アイデアが知的所有権の対象であり資産であることを理解しないと日本の知財は流出し、知力が失われていくだけ、ということに気づかないと日本はますます遅れていくだけです。その知財を生み出すのは教育なので、そこにも投資すべき、ということにも気が付いてほしいです。

さて、別件ですが、この日は海上自衛隊の日です。1952年(昭和27年)海上自衛隊の前身である海上警備隊が創設されたことにちなんで2013年(平成25年)に制定された比較的新しい記念日です。この日は各基地において自衛艦を信号旗などで飾り立てる満艦飾が行われます。その様子から、洗濯物が物干し竿や物干しロープにびっしりと下がって翻る様子を満艦飾という表現がありました。満艦飾はいろいろな祝日にも行われ、在日米軍はアメリカ独立記念日とクリスマスに、そして天皇誕生日にも満艦飾と電灯艦飾を行なうそうで、海軍同士互いに敬意を払う習慣があります。海上自衛隊は外国からは海軍Japan Navyとみなされています。日本の海上警備を行う警察活動は海上保安庁の管轄であり外国から見ると沿岸警備隊Japan Coast Guardで諸外国では軍隊の扱いですが、日本では国土交通省の管轄というのも不思議な制度です。日本の常識は世界の非常識の1つといえます。
有名な海軍カレーですが、船の勤務は単調なので曜日を忘れないために金曜日にカレーを出すようにした、というのは俗説で、本当は土曜日に出していました。理由は昔は土曜日が半ドンで午後は休みのため早く出られるように簡単に食べられるカレーを出したということだそうです。やがて土曜日も休みになったので、それが金曜日に移ったというのが事実だそうです。昔の海軍の歌に「月月火水木金金」というのがありますが、それだと週2回カレーが出ることになるので、金曜カレーというのは変だとずっと思っていましたが、ようやく謎が解けました。海上自衛隊で金曜日の昼食にカレーライスが出るになるのは昭和60年(1985年)ごろ以降のことだそうです。

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