コナモンの日



5月7日は語呂合わせで「コナモンの日」です。この日を設置したのは日本コナモン協会で、2003年のこの日に設立されたそうです。役員には錚々たる人が名を連ね、協賛企業には製粉会社や調味料メーカーがいるので相当な規模で資金力もありそうです。
コナモンと言えば関西、というイメージですが、この言葉の元は粉ものと思っていたのですが、こねものという意味もあるとかで、粉はこねないと料理できないので、それもありかと思われます。粉といえば小麦粉が圧倒的に多く、実際、コナモンとして浮かぶのはお好み焼きやたこ焼き、うどんなど小麦粉のものが多いです。しかし粉を調理するのは蕎麦や米粉、とうもろこし粉、でんぷん粉、大豆粉、片栗粉、葛粉などもあるわけで、強いていえばコーヒーも粉にしてから入れます。小麦粉はうどん粉とかメリケン粉という言い方もあり、うどん専用というわけでもなく、メリケン粉の語源はアメリカンですがアメリカ産とはかぎりません。また最近のダイエットブームのせいか、糖質を下げたパンや洋菓子が流行りでフスマが活用されています。フスマとは本来は代用品で、植物の小麦から小麦粉を製造するときの副産物であり、。胚乳(はいにゅう)部のみが小麦粉として利用され、残りの外皮と胚芽を取り除いた部分がフスマとよばれています。米でいうなら糠みたいなものです。穀類はそのまま食べることは少なく、精製した部分を粉にして食べますから、どうしても副産物というかカスが残ります。従来、これらは動物の餌にしていたのですが、栄養価が高いことと最近のエコブームから再利用されるようになってきました。オーツブランというとかっこよく聞こえますが、燕麦(えんばく、からすむぎ、オート、オーツ)のフスマのことです。加工技術が上がったこともあり、栄養食品として人気がでています。
蕎麦も今では一部は高級品化していますが、江戸時代はうどん粉が高くてうどんがたべられない人々の代用食として発達してきたものです。蕎麦は米がとれない山間地でも栽培しやすく、信州を始め山間地の名物とされているのはそこに理由があります。今では十割蕎麦もありますが、蕎麦粉だけだとこねてもパサパサで団子状にして食べるしかありません。それを蕎麦がきといいます。蕎麦に小麦粉を混ぜることで薄く延ばして麺にすることで今のような蕎麦になります。その配合率が小麦粉二、蕎麦粉八なので二八蕎麦といいます。昔の立ち食いソバが十六文なのは二八十六という九九から来ているという俗説は案外本当かもしれません。蕎麦粉も昔はほぼ国産でしたが、現在では輸入が八割以上で割合は年々増えています。小麦も同様です。蕎麦輸入先の八割が中国、二位がアメリカです。しかし蕎麦粉生産量の一位はロシア、二位が中国、三位ウクライナ、四位米国となっており、蕎麦は日本だけと思うのは間違いです。ガレットというフランス菓子は蕎麦粉で作ります。ロシアや東欧では蕎麦の実でおかゆを作ったり、パンケーキを作ったりします。
小麦粉の方はさらに深刻で九割が輸入です。輸入先はアメリカ、カナダ、オーストラリアです。こちらは不作や円安の影響をモロに受けます。戦後の日本は米作を減らして小麦粉の食料が激増しました。昔は米の裏作に麦を作っていて、米が主で小麦は従という食料事情でしたが、給食制度によりパン食が普及し、西洋食が増える中で小麦粉の消費量が爆増しました。これも米軍の占領政策という意見もありますが、お好み焼きやたこ焼きを米軍が推進したわけではないので、コナモン文化は日本文化です。

こなもん

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