情報セキュリティとDX
2月2日は2006年10月政府の情報セキュリティ政策会議において情報セキュリティの日が制定されました。情報セキュリティ政策会議で第1次情報セキュリティ基本計画が定められ、サイバーセキュリティ基本法が定められました。情報セキュリティの向上への気運を全国的に波及・浸透させるとともに、広く官民における意識と理解を深めることが目的で、情報セキュリティへの取組みに関し、特に顕著な功績または功労のあった個人または団体の表彰を実施しています。政府はこういう表彰が好きです。
この法律は平成12年の高度情報通信ネットワーク社会形成基本法、令和3年のデジタル社会形成基本法へとつながっていきます。デジタル庁は令和3年に設置されています。国家行政組織法の適用が除外されておりデジタル庁設置法に規定されています。日本の行政機関の大半は国家行政組織法第1条に規定する「内閣の統轄の下における行政機関」として各種の設置法が制定され設置されています。内閣から独立している会計検査院、内閣自体に置かれているため「統轄の下における行政機関」に該当しない内閣官房、内閣法制局及び国家安全保障会議等の会議、人事院、復興庁がこれに該当します。つまり特別な行政機関ということになります。
デジタル庁というネーミングは英語的には奇妙です。デジタルdigitalは形容詞ですから英名のDigital Agencyは奇妙な印象を与えます。普通の官庁は名詞の複合語です。せめてDigital Security にしてほしかったところです。こんなところも日本の役所のガラパゴス進化を感じます。そして海外では普通は軍が管理しています。そもそもサイバー空間は軍事目的で作成されたものです。
デジタル庁が喧伝するデジタルトランスフォーメーションはDXと略して使用されています。この意味を知っている国民がどのくらいいるでしょうか。デジタルトランスフォーメーションを英語で表すとDigital Transformationです。TransformationはX-formationと表記されることもあるため、頭文字を取ってDXと略されるようになりました。TransformationがX-formationと表記されるのはtransがラテン語で「変える」や「超える」といった意味があり、transform, transmitなどは学校で習います。transは語源的にcrossと同義で、「交差する」という意味のcrossは省略してXと書かれることがよくあります。十字架がクロスであり、踏切をXingといいます。アメリカなどの交通標識でXの右と左にRが書かれているものがありRailroad Crossingと読みます。PED XINGと地面に書いてあったらpedestrians crossing つまり横断歩道なので最大の注意を払って通過する必要があります。こうした英語の用法があって、transもXで代用されるようになりました。
参考資料
サイバーセキュリティ法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=426AC1000000104
https://ja.wikipedia.org/wiki/行政組織法
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