学校安全の日と新貨条令



6月8日安全の日で2001年に大阪府池田市の大阪教育大学附属池田小学校で児童8名が殺害され、児童13名と教諭2名が負傷した事件の翌年に制定されました。凶器を持った男(当時37歳)が学校に侵入し、次々と児童を襲撃した事件で、世間は驚愕しました。学校とは本来は安全なところで、昔は放課後も学校で遊ぶことが普通でした。ところが近年は事故が起こるたび学校の安全管理が問題になり、子供たちも塾通いが当たり前になったり、先生が部活の面倒を見られないほど忙しくなったりして、放課後も学校で遊ぶことがなくなりました。一方で、夫婦共稼ぎが常態化し、鍵っ子が当たり前になり、居場所がない子供のため、学童が増えたり、子ども食堂ができたり、と何かずれてきているようです。
最近、米国では学校内での銃乱射事件が相次ぎ、米国内を騒然とさせています。米国では学校に警備員を置くのが義務的になっており、警備員と侵入犯との銃撃戦という事態も頻発しているようです。本当に物騒な世の中です。

今年の6月8日は旧暦だと皐月十日になります。明治四年五月十日、新貨条令という貨幣に関する法律が制定されました。これにより日本の貨幣制度が変わり、円(圓)が基本通貨として定められました。それまでは両が基本で、この時点では1両が1円という交換レートです。今ではほとんどわからなくなっていますが1両は4分(ぶ)で1分が4朱という4進法です。ではよく聞く1文(もん)は何朱かというとこれが単純ではないのです。朱までは金貨の価値ですが、金の他に銀も通用していました。銀は重さの単位が使われ、1貫が千匁(もんめ)という意味で、1匁が10分となっています。金も銀も同じ分という単位を使いますが、金1分=銀1分ではなく交換レートが変わります。金貨は貨幣、銀は銭(ぜに)と分かれていたわけです。交換比率は時代により変わりますが、たとえば元禄13年頃の幕府は金1両=金4分=銀60匁=銀600分=銭4貫文=銭4,000文と定めていたそうです。金4分=銀600分なので金対銀が1:150と金がかなり高いことがわかります。こうした変動相場なので庶民はどこかで銭と金貨を交換しないといけません。それが両替商です。今でも両替という表現が残っていて外国通貨との交換をしていますが、あれと同じ考えです。両替商は当然交換手数料をとるので随分儲かったわけです。そして金貸しも兼ねることでさらに儲かるわけで、その制度が今の銀行につながるのです。一方で貨幣や銭の他に藩は藩札という小切手のようなものを発行するようになりました。藩札は地域クーポンであり地域外では通用しませんが、藩は藩札を大量に発行しなければならないほど財政が逼迫していました。同じことは明治政府にもあり、太政官札(だじょうかんさつ)を発行したのですが、金銀に交換できない不換紙幣ですから、どんどん価値が下がります。会計御用掛(今の財務大臣)大隈重信は強引ともいえる財政改革を行い、本位貨幣として金貨5種(20円、10円、5円、2円、1円)、銀貨1種(1円)、補助貨幣として、銀貨4種(50銭、20銭、10銭、5銭)、銅貨4種(2銭、1銭、半銭、1厘)を発行し4進法を廃止して10進法に改めました。この単位は現在でも使われています。当時は金も銀も本位として使われていましたが、やがて金本位制に代わり、それも現在ではなくなっています。新円の制度は外国通貨との交換も容易にしました。

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