恒星年


公転

太陽年(solar year)とは、太陽が黄道上の分点(春分・秋分)と至点(夏至・冬至)から出て再び各点に戻ってくるまでの周期のことで、回帰年(tropical year)ともいいます。暦では1月1日から12月31日までを1年と考えて、生活し、社会も動いています。もっとも日本では4月1日から始まる年度という暦もあります。暦と年度の差も面倒なのですが、誰も文句もいわず従っていて、改訂しようという動きはほとんどありません。その意味では明治5年に旧暦を廃止して新暦にしたのは、画期的といえますが、それだけ強制力があったともいえます。科学の世界では、春分・夏至・秋分・冬至での回帰年を、それぞれ春分回帰年・夏至回帰年・秋分回帰年・冬至回帰年といいます。この考え方は古来からあり、太陽の運行から地球上のどこでも実感できることから、各地でいろいろな行事が行われてきました。無論、夜は星の動きを観察しましたから、季節の変化に伴い変化する恒星の位置である星座と不規則な動きをする惑星の関係は知られており、それが占星術という占いにつながっていきました。これらはいわゆる天動説なのですが、地動説が出てくるまで、天動説という考えはなく「当たり前、常識」であったわけです。これは視点を変更することで地動説が生まれ、相対的に天動説といわれるようになったからです。相対と絶対ということの意味は深いのですが、それについては後日の話題とします。

回帰年は地球の歳差運動のため、春分回帰年の場合、恒星年より約20分24秒短いです。なお分点・至点に対する各回帰年はそれぞれ異なるため、平均したものを平均回帰年(平均太陽年)といいます。歳差(さいさprecession)または歳差運動とは、自転している物体の回転軸が、円をえがくように振れる現象である。独楽の軸が左右に動いている状態を想像してください。歳差運動を首振り運動、みそすり運動、すりこぎ運動ということもあります。納得のいく呼び名で覚えておいてください。

平均太陽年の長さは一定ではなく、少しずつ短くなっており、現在はおよそ365.242189 日です。変化の原因は、惑星からの引力が、地球の公転軌道運動および歳差に摂動を及ぼすことによります。なお太陽年の変化は、地球の自転の変化(遅れ)とは別の事象ですから、誤解のないように。

恒星年(こうせいねんsidereal year)とは太陽が天球上のある恒星に対する位置から再び同じ位置に戻るまでの時間です。すなわち太陽が天球を360°一周するのに要する時間であり地球の公転周期(地球が太陽の周りを1周する時間)のことでもあります。恒星年の長さは 365日06時間09分09.765 秒[1] = 365.256 363 02日(2016.5年での値)である。春分点を基準とする太陽年よりも20分24.6秒ほど長いのです。この差が歳差です。恒星年の長さは他の惑星が地球に及ぼす摂動によって、1万年に1秒の割合で長くなっているとされています。つまり1年の長さは比較対象とする相手によって、ズレがあり、相対的なものであることを理解しておきたいです。

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