視点Viewpoint



視点というのは、見る位置という意味だけでなく、物の見方という意味もあります。車窓から見る景色は前者の意味です。見る、という行為は視覚というだけでなく、理解するという意味もあります。英語でもI see.というのはわかりました、ということです。

物の見方というのは理解の仕方、考え方、納得の仕方ということです。相対的と絶対的というのも、視点のことで、相対的というのは視点を変えること、絶対的というのは視点を変えない、ということといえます。

視点を変える方法の1つに微視的、巨視的という考え方があります。ミクロ的、マクロ的という方がわかりやすいかもしれません。経済学ではよく聞く視点ですが、ミクロ経済学というのは、ざっくりいうと、消費者と生産者と関係、需要と供給の関係などを考える分野です。それに対しマクロ経済学というのは市場(しじょう)とかGDPなど、より大きな視点から考える経済学です。これは経済学だけでなく、あらゆる分野に応用できる考え方です。たとえば物理学では、顕微鏡を用いないと観察できない微小な世界がミクロ、反対に望遠鏡を使わないと観察できないような宇宙空間の研究分野がマクロ、ということになります。ビジネスの世界だと、目の前の問題を解決しようとすることはミクロ的、他社との関係や政治との関りから将来計画を立てるのはマクロ的といえます。ミクロ環境とは、その企業の業界の需要状況や顧客・競合などの業界環境を指し、マクロ環境とは、その業界環境の外側を指し、自然環境や文化、人口、経済など多岐にわたります。マクロエンジニアリングは宇宙開発のような巨大な規模の事業を、推進する技術のことを指します。ミクロ的視点とマクロ的視点というは全く別のものではなく、1つの現象をどうみるか、という視点の違いであって、どちらかに偏るのではなく、両方の視点から関連を考えていくことで、物事がより正確にわかるようになります。

実際に物を見る視点としては、俯瞰的、あるいは鳥瞰的視点というのがあります。物事を上から見るということで、よく似た概念で、両者を区別しない表現もありますが、イメージとして俯瞰というのは、うつむいて下を見る、ということなので、小高い丘とかビルの上から、地上をみるような感じです。鳥瞰というのは鳥の目線なので、もう少し高い位置から見ることになります。俯瞰の反対は何かというと、仰視という表現が使われます。仰ぎ見る、ということです。鳥瞰の反対語はあまり見かけませんが、蛙瞰(けいかん)という表現もあるそうです。蛙は確かに下から上を見上げています。

相対と絶対という視点を考える時には、主観と客観という問題が出てきます。主観というのは自分から見た感覚ということであり、客観というのは第三者的な見方をする、ということです。自分が第一者、相手が第二者、それ以外の人が第三者ということです。従って客観というのは、相手の立場に立つ、ということとも違います。自分を第三者的視点になって見ることは難しいです。

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