小暑・七夕


七夕

今年の小暑は七夕と重なります。小暑は二十四節気の1つで夏至と大暑の真ん中です。これから本格的な暑い夏になる季節ということになります。二十四節気はさらに三分割され七十二候となります。七十二候は美しい表現ばかりです。

初侯:温風至(あつかぜいたる):熱い風が吹いてくる時期です。現在では温風といえば暖房の温かい風をさしますが、本来は梅雨明け頃に吹く南風をさしました。梅雨の湿気も伴い、蒸し暑くなってくる頃です。

次侯:蓮始開(はすはじめてひらく):蓮の花が咲き始める頃です。蓮の花は、早朝に開いて昼には閉じてしまいます。蓮は泥の中に生まれても汚れなく清らかに咲くことから、周りが汚れた環境であっても、それに染まらずに清らかでいることを「蓮は泥より出でて泥に染まらず」「泥中の蓮」などといいます。仏教では多くの仏典に「蓮華(れんげ)」の名で登場し、仏像の台座にもその形がよく使われています。有名なのが「妙法蓮華経」つまり法華経です。

末侯:鷹乃学習(たかすなわちわざをならう)鷹の幼鳥が飛ぶことを覚える頃とされています。巣立ちの季節です。鷹の子は、飛び方を覚えて狩りを学ぶと親のもとから巣立っていきます。古くから鷹といえば大鷹をさし、鷹狩りに使われてきました。

小暑の初め、7月7日といえば七夕です。七夕飾りをして、そうめんを食べながら、七夕伝説の星を探してみるのもロマンチックです。織姫星は西洋の星座だとこと座のベガ、彦星はわし座のアルタイルです。目立つ星ですから、星座表を見ながら探してみてください。朝顔は中国で「牽牛」ということから、七夕に朝顔市も開かれます。七夕(たなばた)は五節句のひとつで、縁起の良い「陽数」とされる奇数が連なる7月7日の夕べに行われるため「七夕の節句」といいます。また、笹を用いて行事をすることから、笹の節句とも呼ばれています。七夕は奈良時代に中国から伝来しました。七夕伝説の織姫と彦星の逢瀬を祝い、機織りなどの技芸が巧みになるように乞う祭り(奠)と言う意味の「乞巧奠(きっこうでん)」が伝わり、七夕の節句に変化していきました。もともとは「七夕」と書いて「しちせき」と読んでいましたが、日本古来の「棚機つ女(たなばたつめ)」の伝説と結びつき、「たなばた」と読むようになりました。当て字読みです。七夕飾り(笹飾り)の笹竹は、天の神様が依りつくところ(依り代)とされています。願いを込めた飾りものを笹竹につるし、天に向かって掲げます。短冊の願い事は、乞巧奠において、貴族が手芸、詩歌、管弦楽、文字などの上達を願い、梶の葉に文字を綴っていたことに由来します。童謡「たなばたさま」の歌詞でもおなじみの「五色の短冊」の「五色」とは、中国伝来の陰陽五行説に基づく「青・赤・黄・白・黒」の五色のことです。現在のような七夕飾り(笹飾り)になったのは、江戸時代だといわれています。江戸時代は寺子屋が増えたため、習字や習い事の上達を願う行事として親しまれ、短冊に願い事を書くことが広がっていきました。

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