弱形と縮約2



英語の縮約の基本をまずご紹介します。I’mとかdon’tのように「‘」がついている場合、この記号をアポストロフといいますが、「省略がありました」という意味です。

I‘mはI am、don’tはdo not、can’t はcan not の省略です。現在の英語では、書き言葉でも省略形が使われることが多く、話し言葉で原形が使われるのは特殊な状況です。既に省略形が普通になっているのがo’clockで、of clockが省略されたものですが、原形はほぼ使われていません。英語のof やandは強勢が来ないことが多いので、省略語が多く見られます。口語でnice’n easy=nice and easy(気楽な雰囲気)と言うのは1つの単語のようになっていて、看板にnice’n EZなどと書かれているものを米国内のレストランやナイトクラブではよく見かけます。昔はbread’n butterという、今でいうトーストにバターを塗ったものが朝の定番でしたが、今はpancakeが多いようです。

Do youはD’yuと略されて発音されることが多いのですが、まだ書き言葉では少ないようです。しかし近未来では変わるかもしれません。Don’t youはDon’chaと発音されることが多く、漫画などでは普通にこの書き方が使われています。

Do you want to dance? はD’yu wanna dance?というのが口語です。カタカナで書くとデュ・ワナ・ダン?となりますから、3拍です。日本英語だとドゥ・ユー・ウオント・トゥ・ダンスとどんなに早口にしても5拍はかかりますから、パートナーはさっさとさらわれてしまうことでしょう。

英会話の挨拶はGood morning.など3音節2拍子が基本です。他の会話文もだいたいこのパターンのやり取りが多いので、日本人にはポンポンとやりとりしているような感じがします。会話のテンポが英会話だと「速い」と感じる原因もこのリズムの差が関係しています。日本人が4拍子で文字通りに強形で発音する分には、英語話者は理解できます。日本人側が4拍子の文化で、同じテンポで会話が返ってくると期待しているところに、2拍子または3拍子のリズムで返事が来ると、聞き取りが追い付けません。英会話では2拍子でポンポンとやりとりしているので、その間に割り込むこともできません。英語のできない日本人が国際会議でおいてけぼりになるのも、このリズムとテンポの違いが問題です。

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