文化の日
11月3日は文化の日です。祝日なのはわかりますが、イマイチ、ピンと来ない気がします。文化と言われても、あまりに抽象的で、何をどうしたらいいのが分かりにくいのです。こういう曖昧な表現でごまかすのが日本の文化だと言われればそれまですが。
本来は日本国憲法が公布されたのが1946年同日であることから、祝日法に定められたのだそうです。日本国憲法が「日本国憲法が平和と文化を重視」していることから、という説明もありますが、それなら「平和と文化の日」にする方が素直のような気がします。
歴史的には1947年までは明治節となっていました。明治節というのは明治天皇の誕生日です。それで「明治の日」として復興を願う人々もいるそうです。この運動については当然、賛否両論があります。昭和天皇の誕生日は4月29日ですが、当初、みどりの日だったのが、みどりの日は5月4日に引っ越し、今は昭和の日となっています。その前の大正天皇の誕生日は8月31日は「大正の日」にはなっていません。また平成天皇である現上皇陛下の誕生日は12月23日は「平成の日」になっていません。現在の制度では天皇の誕生日は今上陛下の誕生日のみになっています。なんとなく変則的な印象で、それだけ異論があちこちにあるのでしょう。過去の天皇の誕生日は祝日とせず、今上陛下のみにしているという理屈なのかもしれませんが、宗教界では祖師の生誕〇〇年のような行事もありますし、没後〇〇年遠忌のような行事もあり、命日も記念しています。文人に対しても誕生日や命日を行事にしていますから、むしろそれが日本文化だと思われます。過去の天皇は数が多いといってしまえばそれだけですが、それにしても、明治節を文化の日と言い換えるのはすっきりしないものを感じます。
世界的にはWorld Culture Festival(WCF)という運動があります。世界中の人々が一緒になって祝う、より調和のとれた、思いやりのある世界を築くための運動で、人類の豊かな文化的多様性と私たち全員を結びつける精神を祝うことで、より調和のとれた、思いやりのある世界を築くことを目指しているそうです。今年はアメリカのワシントンDCで9月29日から10月1日まで開かれました。こちらは伝統、音楽、芸術、ダンスなど多様な文化を祝う行事となっています。
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