定型文記憶練習法


子どもと言葉

短文記憶法については公開されているものがありますので、まずはそちらをご参照ください。https://www.shuwa-study.net/hiden/ 無料で公開している秘伝です。この「秘伝」では文の後ろから覚える技法を紹介しています。

普通、文を覚えようとする場合、文の最初から覚えようとします。そしてせっかく覚えた文もいざ試験の時になると、最初の方だけ出てきて、途中からウロ覚えになりがちです。しかし後ろから覚えると、後ろの方は何度も反復記憶するので、最初が出てくれば、残りはすぐに出てきます。そしてもう1つ肝心なことは、文を覚える時に、いちいち意味や文法は考えません。条件反射的に口から出てくるようになるまで反復練習をします。この反復による記憶強化は実は子供の言語学習過程と同じです。子供は最初のうちは黙って聞いているだけです。しかしだんだん真似をするようになって、時々エラーをして笑われながら、確実に文を学習していきます。むろん、文としての意味であって、個々の単語の意味や文法など意識にありません。これが母語の正体です。

状況に合わせて内容を感じ取り、それに適した文を反射的に発します。外国語学習はこれを反対の学習法をしています。それはなぜかというと、子供の言語習得法は時間がかかります。状況も大人になるにつれて複雑になってきます。それに対応するには、翻訳のような作業をするしかない、と考えられてきました。しかし現実の場面では、状況の種類はそれほど多くないのです。とくに接客や旅行などでは使われる文は数種類しかありません。現場では耳から「聞きかじった」音をそれらしく真似ることで、なんとか商売に使っています。海外旅行をして、非英語圏に行くと、怪しげな英語や「シャチョー、ヤスイヨ」のような呼びかけに出会います。意味はわかっていなくても、とにかく話しかけて注意をひかねば商売になりません。実用の究極的なものかもしれません。この精神を日本人は学ぶべきかもしれません。

条件反射的に口から出るようになった文は、最初を聞くと残りは予測できるようになります。これが聞き取りのコツです。全部聞き取る必要はなく、状況と大体の意味がわかればいいわけです。そして反射的に応答する。これが英会話なのです。そもそも情報の正確さは問題ではなく、コミュニケーションしていることが重要なのです。

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