春分の日はなぜ休日?


春分三候

320日は春分の日で休日です。外国人にこれを説明すると、一様に不思議そうな顔をします。春分の日は英語でvernal equinoxというのですが、vernalというラテン語は難しいので、spring equinoxという表現も増えてきています。欧米では、この日が春の最初の日という解説が多いようです。日本や中国では、節分や春節から始まると考えるのと、かなりのズレがあります。春分とは何かという科学的解説は共通しており、学校で習うので、きちんと理解しているかは別にして、だいたいのことはわかっています。それにしても日本では春分の日はなぜ休日なのでしょうか。

科学的説明を先にすると「春分点とは、黄道と天の赤道との2つの交点(分点)のうち、黄道が南から北へ交わる方の点(昇交点)のこと。この点が赤経0時かつ黄経0度であり、この点を太陽が通過する瞬間が春分となる」(wikipedia)となっていますが、何のことだかわからないのではないでしょうか。これは正確には春分点の説明で、「春分の日は春分点を通過する日」が正しい理解です。一般には「昼と夜の長さが同じ日」という理解もありますが、これは江戸時代の庶民の理解であり、感覚的には合っているのですが、正確に12時間に分かれているわけではなく、太陽が出ている時間を昼とすれば、昼の方が長いのです。春分点は一瞬であり、それが日の出や日没とは直接結びついていません。春分という表現は、古代中国の春秋時代に二至二分(冬至と夏至の二至及び春分と秋分の二分)を基盤とする暦法が用いられていたことによるもので、今も使われています。この二至二分は、1年を24分割する二十四節気に採り入れられ、春分は啓蟄と清明の間にあります。二十四節気は七十二候に分かれていて、春分の三候は次のようになっています。

初候:雀始巣(すずめ はじめて すくう):雀が巣を構え始める

次候:桜始開(さくら はじめて ひらく):桜の花が咲き始める

末候:雷乃発声(らい すなわち こえを はっす):遠くで雷の音がし始める

二十四節気の春分は15日間あるので、桜が咲くのは44日頃ということになりますが、今年は早そうですね。

春分の日がなぜ休日か、という疑問はこうした説明では理解できません。二至二分だとすれば、夏至と冬至が休みでない理由がわかりません。実は、春分の日は1948年に公布・施行された国民の祝日に関する法律によって制定されています。同法第2条では「自然をたたえ、生物をいつくしむ。」ことを趣旨としているそうですが、曖昧ですね。休日なったのは1878年(明治11年)改正の年中祭日祝日ノ休暇日ヲ定ム(明治11年太政官布告第23号)による春季皇霊祭から続くもので、1948年に廃止されました。つまり皇室行事だったのを名前だけ改正したというわけです。一方で、春分には先祖のお墓参りをするという旧来の伝統もあって、そのまま今も続いています。学校は春休みの最中のところも多く、連休でもないので、意義が薄れてきているかもしれません。

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