LInstok Press 発行の手話学雑誌(英文)一部欠落巻あり



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手話の雑学16新着!!

日本では宗教と言語の関係を議論することはほとんどありません。あるとしたら「ことだま(言霊)」に関することで、これは現在の日本では、非科学的と思われて、排除されている思想です。実は日本の仏教でも、仏の教えとことばの関係をとらえ、聞こえない人のことを瘖唖(いんあ)者と呼び、仏の教えがわからない人という扱いになっていました。また刑法でもつい最近まで、差別的な扱いを受けてきました。ただ、仏教の場合、仏教徒・・・

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手話の雑学15新着!!

手話にかぎらず、言語習得は、言語環境によって決まります。周囲が日本語だと子供は日本語を習得し、周囲が英語なら英語を習得します。この最初に習得する言語を母語mother tongueといいます。直訳すると「母の舌」ですが、英語ではtongueは言語の意味があります。日本では舌は身体部位の意味しかありません。焼肉では「タン」といい、牛タンは「牛の言語」の意味には絶対になりません。蛇足ですが、ハツ(心臓・・・

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手話の雑学14新着!!

「少数者の中の少数者」はどうしても自分の殻に閉じこもりやすいという思想の弱点があります。言い換えると「手話はろう者の言語」という命題は自らを閉じ込めていくリスクが大きいのです。聾者の中には、それを「情報が得られないから」と自己弁護する人もいますが、音声情報が入らないから、視点が狭くなる、ということではなく、いくら情報が目の前にあっても、自ら拒否して、自分の世界に閉じこもってしまうことで孤立化します・・・

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手話の雑学13新着!!

「手話は聾者の言語」という思想の根本は「手話という基準」で人間を分類しようという思想です。この思想の前提として、聴覚障害の有無、つまり「聞こえる」「聞こえない」の二項対立的概念で人間を分類します。この前提すら誤りであることは上記で指摘した通りですが、次に「聞こえない」人つまり聴覚障害者を聴力ではなく、手話の使用で分類しようという思想です。いいかえると手話使用者と非手話使用者で分類していくわけです。・・・

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手話の雑学12新着!!

一見バラバラに見える現象をまとめる方法の1つが「共通性」の発見です。すべてがバラバラという現象は稀有で、ほとんどの現象には共通性があります。この共通性を見つけ出し、そこから法則性を見出していく、ということが古典から今に続く基本的な科学の手法です。一見、バラバラに見えるものでも、共通性を見つけ出して、まとめることで「分類」ができるようになります。言い換えると、変種というのは、正確には「共通性をもった・・・

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手話の雑学11新着!!

幼児語や母親語を言語変種と考えるなら、それは一人の人間の中で、発達に応じて次々と変種が変わっていく、ということを示しています。こうした個人の変種の変化が総体となって、社会全体に及んでいくのが、社会変種です。ここでまず、個人変種と社会変種という区別があります。もちろん、個人変種と社会変種は無関係な独立した存在なのではなく、個人変種は生物としての発達、つまり言語機能である口腔の発達や手指の発達と脳の発・・・

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手話の雑学10新着!!

アメリカの英語とアメリカの実社会の関係を手話に置き換えると、手話に対する考え方の誤りがわかります。聾者の多くはテレビで見るような「上手な手話」を求めているわけではなく、「わかりやすい手話」を求めています。この「わかりやすい」という概念は実はなかなかむずかしいのです。なぜなら、人により「わかりやすさ」が異なるからです。子供にとってわかりやすい、老人にとってわかりやすい、高度なコミュニケーションにおい・・・

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手話の雑学9新着!!

手話の言語習得についていえば、生後から手話環境にある人は希少です。ほとんどは生後かなり経ってから手話を習得します。それを母語と言い切ってしまうのは、むずかしいのです。それを是認するためには、手話学習以前は無言語であったという仮定が必要です。 ここでよく話題になるのが「狼に育てられた子」の話です。これが「無言語」といえるのかどうかについては議論があります。この件を話すと長くなるので、省略しますが、手・・・

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手話の雑学8新着!!

手話という言語を社会的にどうとらえるか、について、単純に手話を「ろう文化」「ろう社会」と結びつけて不可分な1体という思想があります。キリスト教の三位一体のような捉え方はただしくないことがわかります。しかし、この「聾の三位一体説」は意外に欧米に浸透しており、日本は今でも信じている人が多いのが現状です。 この思想の問題点は、言語と文化と社会(コミュニティ)を一体化させて、1つの民族のように考えようとい・・・

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手話の雑学7新着!!

ヨーロッパの手話の始まりはフランスの聾教育からであることが知られています。18世紀半ば、ド・レペという神父が手話による聾教育を始めたとされています。ド・レペ神父は聾児たちにフランス語を教えようとして、その手段として手話を用いたわけです。日本では少し誤解が広がっていますが、ド・レペ神父はフランス語を教えるために手話を用いたわけです。日本でいう「日本語対応手話」という表現を借用すれば、「フランス語対応・・・

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手話の雑学6新着!!

アメリカは多様化こそが文化であり、それが政治的分断の原因の1つであることも知られています。他にも、中国の政府は必至に統一を図ろうとしていますが、現実には民族が多様化し、それに伴い言語も多様化しています。言語は「普通話」という北京語を全国に浸透させようとしていますが、実際にはまだ方言が色濃く残っています。宗教は建前上禁止という形で統一を図ってはいても、実際には多様な宗教が残ったままです。料理は日本で・・・

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手話の雑学5新着!!

身振りは文化と深い関係があることはわかりましたが、ここで文化と言語と民族や宗教との関係を改めて考えてみます。 先に、言語と文化と民族や人種、そして宗教には関連があることを説明しましたが、すべてが一致しているケースはほとんどありません。あるとしたら、ごく一部の少数民族だけです。日本では、「日本は単一民族、単一国家」と主張する人が多いのですが、単一宗教だと唱える人は稀有でしょう。宗教については、むしろ・・・

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手話の雑学4新着!!

あらためて、日本の手話と身振りを比較してみると、たとえば「自分」を表すために鼻を指差すのは日本独特の文化であり、外国では胸を指差す身振りなので、外国の身振りや手話では、鼻を指差すと「鼻」の意味にしかなりません。日本の手話学ではあまり知られていませんが、「手話には文化的な違いがあるという典型的な例」として、欧米の手話学では知られています。 また、手話の最初の方で習う<男>と<女>は日本では身振りと共・・・

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手話の雑学3新着!!

よく「手話は世界共通ですか?」という質問を受けます。この背景には「身振りは世界共通」という誤解があるように思われます。私たちは外国人とのコミュニケーションで、ことばによるコミュニケーションがむずかしい、と思うと、いわゆる「身振り、手振り」で伝えようとします。なぜ身振りなどが伝わりやすいと考えるのか不思議ですが、「自然に」そう思ってしまうのです。実際、かなりの程度、意図が伝わります。喜怒哀楽などの表・・・

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手話の雑学2新着!!

手話の指導法は、先生や地域によって、多少の違いはありますが、全国のどこでも、似たような形式になっています。しかし実用的な側面を考えると、「あなたの名前は何ですか?」という日本語は変です。普通の状況では「お名前を伺っていいですか?」とか「お名前は?」といいます。つまり「あなたの名前は何ですか?」という日本語文は手話表現に合わせた文です。こういう「教科書文」はどの言語教育でも普通に存在します。たとえば・・・

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手話の雑学1新着!!

9月1日から、欧米やその影響下にある国々では学年や企業の年度が始まります。その理由は農耕社会の季節労働に対応するためだと言われています。夏(6〜8月)は農繁期で、子どもたちが収穫や農作業を手伝うために休暇が必要だったからです。夏の終わりで、収穫が落ち着く頃に教育を再開するのが自然でした。ある意味、欧米でも昔は児童労働が当たり前だったのです。秋は気候や農作業が安定する季節で、勉学に適したタイミングと・・・

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言語技能測定技術と言語教育㉔ 文法学習は必要か

タイトルの疑問文に対する回答は「学習者には必要ない」です。文法というのは、言語のしくみであり、法則性です。文法を知らなくても運用できることは、母語話者が証明しています。日本人で日本語文法を熟知している人が何人いるでしょうか。アメリカ人で英文法をしっかり学習している人は稀有です。日本人留学生が「文法の神様」になるのは、日本の英文法教育がいかに徹底しているか、という証拠です。英語の得意な日本人で英文法・・・

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言語技能測定技術と言語教育㉓ 文法学習

移行法の根幹は母語の知識を活かす、ということなので、どうしても翻訳中心になります。翻訳は、学校でやってきた英文解釈と基本は同じです。学校の英文解釈との違いは、英文解釈の回答は直訳的で、日本語としておかしくても、内容が正しければOKです。翻訳の場合は、著者の意図が正確に伝わることが重視されるため、「意訳」によって、日本語として読みやすいことが求められます。学校の英文解釈では、辞書と文法書が必須です。・・・

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言語技能測定技術と言語教育㉒ 移行法

自然法は環境に依存する学習法で、直接法は特殊な出会いにおける本能的なコミュニケーション方法といえます。それらに対し、語学として勉強する場合、母語の知識を活用して、外国語を学ぶという方法がよく使われます。移行法と改めて言われると違和感があると思いますが、学校で習う英語の時間の方法です。辞書を使った英文解釈や英作文、文法学習は日本語の知識が不可欠です。言語習得には、幼児のように、環境から自然に学習する・・・

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言語技能測定技術と言語教育㉑ 直接法

自然法の学習過程をよく観察すると、「その場で、そのものの名前を知る」という方法が多いことがわかります。これを直接法Direct Methodといいます。直接法は語学だけでなく、芸術やものづくりの世界でも「実際に見て覚える」ことがあり、幅広く応用されている学習法です。アフリカで先住民に出会ったヨーロッパ人、オーストラリアでアボリジニに出会ったイギリス人、南米大陸で先住民に出会ったスペイン人、北米で先・・・

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