LInstok Press 発行の手話学雑誌(英文)一部欠落巻あり



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手話の雑学45新着!!

このように文法研究にも長い歴史があり、その時代の要請に従って、変遷がありました。ある言語の文法を研究するに当たって、いきなり現代の手法を応用することは困難です。なぜなら、元になる資料(データ)ないからです。そこでまずデータ収集から始め、古典的な文法体系の思想を応用しつつ、順番に手順を踏んでいかねばなりません。古典である、「主語、述語、名詞、動詞」といった基本概念が手話ではどうなっているのかを調べる・・・

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手話の雑学44新着!!

たとえ昔嫌いだったとしても、必要があって、文法を再学習するためには、改めて文法研究とは何かという視点から文法研究史を眺めてみます。これは単なる知識ですから、忘れても何の問題もありません。試験にも出ませんから、安心してください。まあ教養の一部として、欧米の考え方を知るための手立ての1つと思っていただくのがよいです。 古代は哲学としての文法研究でした。文法研究の出発点は古代ギリシャです。プラトンやアリ・・・

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手話の雑学43新着!!

言語の構造である文法を研究するには、まず枠組みの設定が重要です。この言語研究の枠組みは歴史的に変化してきましたし、今もいろいろな枠組みがあります。言語学者はどの枠組みを利用するかを決めなくてはなりません。現状になければ、自分で枠組みを作ることから始めなくてはならないのです。どういう枠組みが自分に適しているかを考える材料として、言語研究の歴史を知ることが基本なので、言語学に限らず、あらゆる研究分野で・・・

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手話の雑学42新着!!

ではなぜ、自動車の構造を教えないのでしょうか。それは運転免許証の試験にでないからです。昔は運転免許の試験に構造と法規があり、基本的な構造を学びました。もっとも多くの人は構造の学習は「めんどくさい」ので関心が薄く、不満も大きかったので、次第に省略されるようになり、法規と実技が中心になりました。それくらい、構造の理解というのは抽象的でむずかしいものです。抽象的つまり目に見えないものの理解は高度なのです・・・

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手話の雑学41新着!!

手話には文字がありません。そのため「文献」が長く存在しませんでした。映画が発明されてから、わずかに記録がありますが、録画にかかるコストや撮影条件が厳しく、わざわざ手話を記録することは稀有だったのです。写真による記録も一部にありますが、静止画なので、動きがよくわかりません。古典的には言語による記述もありました。日本でも明治時代、いくつかの「手話辞典」が作成されており、それは聾教育用でした。これは今日・・・

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手話の雑学40新着!!

一方で日本の英語学習はどうかというと、学校で1年に100時間程度、9年間で1000時間程度、高校や大学を入れても、1,500時間程度でしょう。しかも「日本英語」中心です。そもそも「役に立つ英語」をまったく学んでいないのですから、できるはずがないのです。そして英語ができる人は「日本英語のできる人」です。 ここでも「英語」として一括りにして考えることが間違いだといえます。英語にも種類があり、日本英語は・・・

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手話の雑学39新着!!

翻訳技術に必要な道具は何でしょうか。みなさんも「英文解釈」の時に何を利用しましたか。英文解釈とは「英語を日本語に翻訳する」ことです。そこでは英和辞典と文法知識が不可欠でしたね。つまり翻訳技術開発は辞書開発と文法研究と同義です。そのためには、元の言語と翻訳する言語の両方に知識が必要です。 まず翻訳における用語ですが、翻訳における元の言語を起点言語 (Source language)、翻訳した後の訳文・・・

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手話の雑学38新着!!

翻訳は単に知識の移動ではなく、信仰の根拠を作り直す行為でもあり、政治的・思想的な力を伴いました。日本でも江戸時代後期の「蘭学」によってオランダ語から医学・科学の知識が輸入され、明治期には大量の西洋書が翻訳されて「哲学」「経済」「社会」などの新しい日本語の概念語が生まれました。翻訳は単なる言葉の橋渡しではなく、新しい知の創造装置でもあったのです。日本では長く切支丹禁令が続いたため、宗教的な影響は限定・・・

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手話の雑学37新着!!

「手話翻訳」という考え方の根底には、時空を超えた異言語間の意味伝達ということが理解されていなければなりません。いわば翻訳内容が永遠に残ることが前提です。そこで、翻訳のための技術は何か、という考察がまず必要になってきます。 翻訳技術がどのように発達してきたかという歴史はかなり古いです。ある意味、人類は昔から言語の違いに悩んでおり、それが文字の段階になっても、続いていました。翻訳の最初とされるのが有名・・・

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手話の雑学36新着!!

日本で普及しているインターネット通信のLINEのような親しい間のやり取りでさえ、電話と違い、不揮発化が容易であり、近年では、裁判の証拠となることもあります。言い方を変えると、昔は情報の揮発性の分類が明確であったのが、技術革新によって、区別が曖昧になってきています。 こういう時代背景を考えると、手話は現状、ほぼ揮発情報としての利用がほとんどですが、時代的に不揮発情報としての記録化や文字化が必要になっ・・・

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手話の雑学35新着!!

「文字が音声より証拠能力がある」という偏見の根拠は、客観性ということなのでしょうが、録音技術が発達し現代では、「話したこと」に真実性を求める傾向が強くなってきています。文字は他人でも捏造できるものですが、話したことは、本人であることを証明しやすいからです。同様に、動画像が増えてきた現在、動画の「証拠能力」が広く認められていますから、「手話の証拠能力」が認められるようになるのも、そう遠くないと予想さ・・・

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手話の雑学34新着!!

類人猿の手話習得の研究は手話の言語起源論に拍車をかけました。そして、もう1つ、傍証となっているのが、幼児の言語習得過程です。 幼児は生後12か月頃までは言語音声を発声できません。しかし、身振りに近い手話であれば、7カ月前後で獲得できることがわかってきました。人間の発達は、精子と卵子の結合から、細胞の分裂を繰り返し、その発達過程は、人類の発達過程を追いかけているように見えます。胎児の姿は魚に似ていた・・・

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手話の雑学33新着!!

ネアンデルタール人は旧人類とはいわれていても、人類には違いありません。道具の使用や埋葬の習慣があった、ということでもあるので、言語の使用があったことが推定されていたのですが、実は音声言語は現代人とは異なっており、あったとしても非常に「原始的」である、ということになります。チンパンジーや類人猿の音声と似ていた、という推定もできるので、類人猿の音声と旧人類の音声の違い、とくに言語という側面から考えると・・・

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手話の雑学32新着!!

人間は進化過程において、脳が他の動物よりも発達したというのが定説になっています。感覚器官の発達は動物によって異なります。その発達は生存環境による、ことになっています。一部の器官が発達するかわり、一部の器官が退化する、ことにもなっています。 人間の場合、個人差はありますが、コミュニケーションにおいて、視覚が強く、嗅覚は弱いといえます。動物の中には逆の場合もあります。コミュニケーションのツールとして言・・・

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手話の雑学31新着!!

「一括り」という概念を取り去って、個別に観察するという習慣をつけると、手話にも多くの変種がある、ということが理解できるようになります。つまり分類というのも、集団として任意にひとまとめしているだけで、現実とはつねに相違しているわけです。ただ、分類なしに、何かの処理をしようとすると、個別対応には限界があり、何かの共通性を見出して、集団に分類する「判定基準」を設ける必要がでてきます。その結果、分類された・・・

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手話の雑学30新着!!

昔は、「ことばのわからない人」の中に異民族も含まれていました。昔の西洋人はいかに自己中心的な考えをしていたかがわかります。そして音が聞こえない人は、ことば即ち神の福音が得られない人ということになってしまいます。聾者は知能が低いという偏見の原因がここにあります。これは仏教にも同様の偏見があります。仏教でも「瘖瘂(いんあ)」は仏の教えがわからない人、として差別の対象になっています。近年になり、手話も言・・・

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手話の雑学29新着!!

コミュニケーションの問題に戻りますが、私たちはペットとコミュニケーションすることが日常になっています。中にはお花と会話する人さえいます。多くの人が「話しかける」ことで相手の反応がある、と思っています。つまり「通じている」と信じています。これは否定できない事実です。手話についていえば、ペットとのコミュニケーションでは身振りが有効であることを感じます。訓練にハンドサインを用いることは常識化しています。・・・

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手話の雑学28新着!!

概念的な言語は別として、現実の社会での言語使用は、内容も程度もさまざまなままです。そして、その内容と程度も変化していきます。言語はつねに流動的で固定的ではありません。ある1つの状態をとらえて分析したり、長年の経過を歴史的に研究したり、と言語学にもそれぞれの分野があります。手話についても、同様な研究分野が手話学に存在します。専門的には共時的研究と通時的研究というのですが、これは相互に関わっています。・・・

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手話の雑学27新着!!

よく考えてみると、言語習得は学習の結果です。それは言語学習が環境によって、獲得結果つまり言語が変わることで証明できます。しかし、今でも、ネイティブつまり生まれついての母語話者を過剰に尊重する傾向がありますが、とくに日本はその傾向が強い文化があります。この背景には、20世紀の言語学者、アメリカのノーム・チョムスキーの言語観の影響があります。彼の言語理論については、専門書を読んでいただくとして、彼は「・・・

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手話の雑学26新着!!

近年の日本の人口減少に伴い聾者の人口も減少するので、手話講座の「受益者」が減り、手話通訳者も減少することが、「予算の効率化」という行政の宿命にも合致しているともいえます。聾教育も同じ運命にあり、減少化しています。このため「このままだと手話がなくなる」と不安視する人もでてきています。しかし、その論理は「手話は聾者のため」であり、手話通訳になることが手話学習の目的、と限定した行政の論理に従ったからです・・・

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