大雪(たいせつ)


お事汁

「大雪(たいせつ)」は、二十四節気の一つで、一般的には12月7日頃に始まり、冬の本格的な到来を告げる節気です。「大雪」の名の通り、雪が多く降り積もる時期とされています。農作業が完全に終わり、動物たちが冬眠に入る様子などが見られる季節でもあります。雪国では雪の重みで木々の枝が折れないよう、雪吊りをするところが多くなります。12月8日は「事八日(ことようか)」といい、「お事汁」という根菜たっぷりのみそ汁を食べ、無病息災を祈る風習があります。また、この日を「事始め」とする地域と、「事納め」とする地域があり、「針供養」をする習わしもみられます。12月13日は「大掃除」のルーツである「すす払い」の日で、すす払いをしたあと正月準備を始めたので、「正月事始め」とも呼ばれています。現在、大掃除といえば年末ですが、早めにスタートしておくと、年末に慌てずに済みますね。「事始め(ことはじめ)・事納め(ことおさめ)」とは、コトノカミという神様を祀るおまつりです。もともと「事」という字は、神様への祈りの文である祝詞を入れた器をつけた木を高く捧げて祖霊をまつるという意味の「史」と、吹き流しを組み合わせた形で、「まつり」を意味していました。「事八日(ことようか)」には、お世話になった道具を片付け、感謝する風習があります。代表的なのが「針供養」で、前述したように、2月8日と12月8日のどちらか一方の日か、両日に行います。豆腐など柔らかいものに刺すのは、これまで硬い生地などを刺してきた針に対し、最後は柔らかいところで休んでいただきたいという気持ちや、供物としての意味があるといわれています。昔はそれぞれの家庭で針供養を行っていたそうですから、豆腐やこんにゃくに針を刺し、身の回りの道具を大事にする気持ちを大切にしてはいかがでしょう。「事八日」には、針供養の他にも風習がみられます。「事八日」には妖怪や一つ目小僧などの悪神が家を訪れるとされたため、魔除けとして目籠をくくりつけた竹竿やニンニクなどを庭先に置いたり、「お事汁」という汁物を食べて魔除けをしたりしました。身をつつしむために針仕事をしてはいけない、農作業をしてはならない、山に入ってはならないなどの言い伝えもあります。

七十二候は、二十四節気をさらに細かく三つの時期に分けたもので、各時期に特有の自然現象や動植物の動きなどを表現しています。
大雪の七十二候は、
初候:閉塞成冬(へいそくしてふゆとなる)期間:12月7日頃 - 12月11日頃、意味:天地の気が塞がり、冬となる。冬の厳しさが一層増すことを示しています。
次候:熊蟄穴(くまあなにこもる)期間:12月12日頃 - 12月16日頃、意味:熊が冬眠のために穴に入る。この時期、野生動物たちが活動を休止します。
末候:鱖魚群(さけのうおむらがる)期間:12月17日頃 - 12月21日頃、意味:鮭が群れを成して川を遡る。冬の風物詩として鮭の遡上が見られます。

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