正月事始め


煤払い

一般的には12月8日が「事納め」で、来年の2月8日が「事始め」ですが、逆に12月8日がお正月の準備を始めるという意味で「事始め」で、来年の2月8日が「事納め」とする地方もあります。これらのことを合わせて「事八日」や「事の日」と呼びます。「事」という抽象的な言い方で、解釈の余地を残す、という昔の智慧です。昔は12月13日を「正月事始め」と言っていました。「正月事始め」の起源は、江戸時代に遡ります。この日は、家の掃除や飾り付け、年越し蕎麦の作り始めなど、新年を迎えるための準備をする日として親しまれています。現代では、12月13日には家族や友人と一緒に年末の準備をすることが一般的です。この日には、新年の抱負や願い事を考えることもあります。「正月事始め」の習慣は、地域によって少しずつ異なります。東北地方では、「煤払い(すすはらい)」として家の中を大掃除し、特に神棚や仏壇の清掃を行います。これは、新年を迎える準備として古い年の汚れを落とす意味があります。今は石油ストーブやエアコンなので煤はでないのですが、昔は囲炉裏があって、煤がたくさんでました。それが天井や壁に付き、真っ黒になります。柱が煤で黒くなるのは虫除けや防水にはよいのですが、神棚や仏壇はきれいに保つ必要がありました。他にも、今でも餅つきをする家があります。正月に食べる餅をつくための準備が始まります。家族や地域の人々が集まって行うことが多いです。それがまた楽しい冬の行事になっています。関東地方では、門松作りをする家がありました。今では既製品を買うのが普通ですが、農家の冬の仕事の1つで、家の入口に飾る門松を作り始めます。門松は正月飾りの代表的なもので、神様を迎えるための準備です。門松と同時にしめ縄作りも始まります。玄関や神棚に飾るしめ縄を作ります。これも家や家族を守るための大切な風習です。羽子板市などが、東京都台東区の浅草寺などで羽子板市が開かれ、正月飾りとしての羽子板を購入します。年越しそばの準備もあります。新年を迎えるための年越しそばを準備し始めます。そばは長寿の象徴とされています。関西地方でも、ほぼ同じような行事のようです。また、おせち料理の準備も地域の特色がありますが、それぞれの地域で準備が始まります。特に福岡や鹿児島では、12月13日からおせち料理の準備が始まります。地域ごとに特色あるおせち料理が作られます。これらの習慣は、地域の風土や歴史、文化に根ざしており、それぞれの地域で大切にされています。

「事納め(じのうめ)」の方は、正月準備の前にあるのですが、掃除をするのと、準備をすることは同じことなので、次第に一緒になってきています。神社や寺院では、年末に大掃除をして、新しい年に向けて清浄な状態を保つために行われます。この日が選ばれる理由は、古い年の終わりに物を整理し、新しい年に向けて清潔な状態を保つことが重要とされています。その背景として「歳神様」という考えもあり、神々や仏様に対して一年の感謝の意を示し、新しい歳神様をお迎えするために行われる、と考えられています。

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