緊急番号118


コラム挿絵:海上保安官のイラスト

今日は1月18日、118番の日です。「118番」という番号をご存知でしょうか。海上保安庁が設けた緊急通報用の電話番号で、2000年5月1日に運用が開始されました。この番号は、海上での事故や災害時に市民が直接海上保安庁に緊急通報を行うためのものです。海上での安全を守る重要な役割を担っているにも関わらず、一般的な知名度は「110番」や「119番」に比べてまだまだ低いのが現状です。そこで、海上保安庁は「118番」の知名度と理解を深めるために、2010年12月に「118番の日」を制定しました。船舶や海上スポーツを楽しむ際には、万が一の事態に備えてこの番号を覚えておくことが必須です。他国の緊急通報番号との比較として、世界各国には、日本の「110番」「119番」「118番」に相当する緊急通報番号が設けられています。例えば、アメリカでは「911」が、ヨーロッパの多くの国では「112」がそれにあたります。日本の「118」はどうやら日本独自の番号のようで、諸外国では日本の「110」「119」のような緊急番号で代理しているようです。それだけ日本は海洋国であり、海上の保安に注目しているともいえます。アメリカでは海上事故などの場合、VHF-FM Channel 16 (156.8 MHz)で呼びかけるか、電話なら999です。通常の緊急番号である911にかけても転送してくれます。この転送制度は日本でも同じで、仮に「119」に連絡しても「118」に転送してくれるそうです。海上保安の主な任務は「領海警備、海難救助、災害対応、海上犯罪取り締まり、船舶の航行安全」です。諸外国では「沿岸警備隊」と呼ぶのが多く、日本の海上保安庁も英語ではJapan Coast Guardとしています。海上保安官には「特別司法警察員」としての「逮捕権」も与えられており、「海の警察官」と呼ばれることもあります。海上保安官の武器使用については「海上保安官の武器の使用については、警察官職務執行法第7条の規定を準用する。」ことになっていて、巡視船艇は武装することができます。また航空機の使用もありますが、こちらは武装できない決まりだそうです。すべての巡視船には機関銃が装備され、大型艦艇には口径40mm以上の機関砲も装備されているそうです。海上保安官は警察と同様なので、短銃や小銃も携帯できますが、実際に使用することは滅多になく、放水などで対応するか、相手が銃撃してきた場合などに使用が限定されているそうです。あくまでも「専守防衛」の思想がここでも適用されています。そのせいか、外国の海賊などからは「なめられる」ことも多いらしく、よく体当たりされたり、銃撃されたりしています。諸外国に比べて、日本は軍を始め、警察なども「弱腰」が目立つとされています。それは「理想的」かもしれませんが、現場職員の安全、という面ではリスクがあり、被害も多くなる危険性があります。諸外国では、市民の武器形態は普通にあり、治安を守る側もそれなりの対応が必要とされていますが、日本は長年、治安の良さに恵まれてきたせいか、弱い警備中心ですが、グローバル化が進み、インバウンドも増えている現在、そろそろ見直してもよい時期かもしれません。

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