日本史と世界史で読み解く 北米建国物語 第11回(3) 黒船から明治維新へ、そして南北戦争

十三夜の月のイラスト

― 日本が幕府を倒した頃、アメリカでは何が起きていたのか ―

1868年、アメリカでは何が起きていたか

では、同じ1868年のアメリカはどうだったでしょうか。

南北戦争は1865年に終わっています。北軍が勝利し、南部諸州は連邦へ復帰することになります。しかし、戦争が終わったからといって問題が終わったわけではありません。奴隷制度は廃止されました。しかし、元奴隷の人々が本当の意味で平等な市民として生活できる社会は、まだ存在していませんでした。南部では人種差別的な制度や暴力が広がります。

「復興(Reconstruction)」と呼ばれる時代が始まりました。
アメリカは、「奴隷制度を廃止した後、どのような国を作るのか」という新しい問題に直面していたのです。

明治日本と再建されるアメリカ

ここで1868年前後の日米を比較してみましょう。

日本
江戸幕府→明治維新→廃藩置県→中央集権国家→近代化

アメリカ
南北対立→南北戦争→奴隷制度廃止→南部再建→市民権をめぐる新たな問題

どちらも大きな社会変革を経験しました。

日本では、「国家の制度を作り直す」ことが中心でした。
アメリカでは、「国家を一つに維持した上で、社会の平等をどう実現するか」が中心となりました。

「士族」と「解放奴隷」

明治維新後、日本では武士の身分が廃止されます。士族となった旧武士たちは、それまで持っていた特権を失いました。
1870年代には士族の不満が高まり、各地で士族反乱が起こります。1877年には西南戦争が起こりました。

一方、アメリカ南部では、奴隷制度から解放された人々が「自由」を得ました。しかし、土地や教育、政治的権利を十分に持っていたわけではありません。
つまり、日本では「武士という身分を失った人々」、アメリカでは「奴隷という身分から解放された人々」が、新しい社会の中で自分たちの位置を探すことになります。

両者はもちろん同じではありません。しかし、「古い身分秩序が崩れた後、人々をどのように新しい社会へ組み込むか」という問題は共通しています。

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