国旗の日
皐月16日は満月です。雨が多い時期なので夜空に満月が見られるとしたら、けっこうラッキーです。6月14日はアメリカではFlag Day国旗制定記念日なので祝日になっています。日本国旗はずっと同じデザインであることに何の不思議も感じないと思いますが、外国では国旗がよく変わります。戦争によることもありますが、アメリカの場合、州が増えるたびにデザインが変更されます。Stars and Stripesというのを訳して日本で星条旗と呼んでいます。条つまり横線は赤が7本、白が6本の合計13本で独立13州を表しているので、この部分は変わりません。星の数は州の数なので州が増えるたびにデザインが変わりました。最初の旗では13の星が円形に並んでいました。今では全部プリントが多いのですが、正式にはこの縞は1本ずつ縫ってあります。これは独立戦争時にフィラデルフィアのべッツィー・ロスという女性が裁縫したものが始まりだと広く伝えられているからです。白は purity(純粋)とinnocence(純潔),赤は hardiness(たくましさ)とvalor(勇気),青はvigilance(戒心)とperseverance(忍耐)とjustice(正義)を表すということです。20州になったあたりから独立記念日である7月4日に新旗が制定され、1959年にアラスカ、1960にハワイが州に加わり以後増えていません。スポーツのたびに聞かされるアメリカ国家も原題The Star-Spangled Banner(星で飾られた旗)という意味で国旗との整合性があります。
日本の国旗の記念日は1月27日ということをごぞんじでしょうか。明治3年(1870)1月27日、太政官布告の商船規則によって「日の丸」が国旗として制定されたことを記念しています。これは旧暦ですが、現代でもこの日に祝われているのですが、残念なことにあまり知られていません。長い伝統もある国旗なのですが、日本では扱いが冷淡で、外国人からすると不思議に思われます。日本国旗は通称日の丸ですが、正式には日章旗といいます。よく近隣諸国からあれこれ言われる放射状の朝日をデザインした旗は旭日旗といい、国旗ではなく昔から大漁旗や節句の祝いに使われたハレの縁起物です。明治以降に軍旗として使われたため、軍国主義の象徴のようなイメージがあります。朝日新聞社だけでなく旭日旗を使うことはめでたい意味なのです。あまり知られていませんが、戊辰戦争では日章旗を幕府陸軍が軍旗として採用し、それと敵対した新政府軍の陸軍は軍旗として旭日旗を使用し、大日本帝国海軍においても軍艦旗として旭日旗を採用し、今日の自衛隊も旭日旗を使用しています。民間が国籍を示す場合は日章旗を掲げますが、軍の国際標識としては旭日旗が使われています。朝日新聞社の社旗は完全な旭日旗ではなく、四分の一のデザインですが、半分のものもかなり使われてきました。
祝日には国旗を掲げるのが昔は普通でしたが、今では稀になってしまいました。そもそも各家庭に国旗があるかどうか疑問です。こういう国は珍しいです。祝日のことを旗日という表現もありました。今でもカレンダーの祝日に国旗が描かれてあるものもあります。
学校や会社にも記章があり、校旗や社旗があるところも多いのですが、最近はロゴだけになってきています。これも忠誠心が薄れてきている証拠かもしれません。忠誠心loyaltyというとroyaltyロイヤリティ(印税、特許使用料)と誤認されます。l/rの区別ができないのが原因かもしれませんが、意味が全然違うので注意しましょう。
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