ウイルス
正月祝いも明けて、さあ仕事と思っている時に、またしてもコロナウイルス感染が広がり始め、今年もまた自粛生活か、とげんなりしてきます。
ウイルスは英語でvirusなので英語起源でないことがわかります。英語ではヴァイラスと読んでいます。英語のカタカナ読みが多い外来語の中では珍しく、これはドイツ語読みです。医学用語はドイツ語起源が多いですが、今はかなり英語に変わってきています。残っているのはメス、クランケ、ガーゼ、カルテ、ギプス、などが知られています。アレルギーとかコラーゲンなどもドイツ語起源です。英語を勉強しているとこれらの単語が英語では別名になっていて驚くことが多いです。
日本ではいまだに新型ウイルスと言ってますが、変な命名だと思います。新型はいつも出てくるので一般名詞ですから、今回のウイルスには固有名詞が必要です。普通は最初に発見された土地の名前をつけるので、武漢型ウイルスとするのが常識的ですが、なぜか日本では新型となりました。世界で新型としているのは中国の「新冠肺炎」くらいです。国際的に通用しているのはWHOが命名したCovid19ですが、これはCorona Virus Disease 2019を縮約したもので、中立的といえば中立です。
オミクロン株というのも英語だとThe Omicron variantですから直訳ならオミクロン種ですが、なぜ株というのか不思議に思って調べてみました。生物学では同一系統内の変化をstrainといい、その訳語が株だそうです。そういえばヨーグルトの乳酸菌にもシロタ株というのがありました。Strainは濾すという意味ですから、よくフィルタなどがストレイナと呼ばれます。しかしそれならどうしてvariantが使われるのか不思議に思っていました。ネットで調べてみるとイギリス株が出た時、最初のコロナウイルスの株strainから変異したのでnew variant(新種)なのですが、これがnew strainかvariantかmutationかが議論になったそうです。日本のマスコミではこういう議論を聞いたことがありません。英語では厳密な議論を科学に基づいてしていたわけですが、日本は単に「新型」、そして株となりましたから、医者を除く一般の日本人はその意味が分らないままになっています。株つまりstrainであるなら、元の株と同一系統ということになります。
国立感染研究所のサイトによると「SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)」が正式名称だそうです。オミクロンは通称なのですね。日本語ではミにアクセントがきますが、英語だとオにアクセントを置くか、オマイクランと読む人もいるようです。なぜギリシア文字なのかについては話が長いので別コラムにします。オミクロンの次はパイπで変異はまだ続きますが、もう流行は終わりにしてほしいですね。
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