節分は年4回?
2月3日は新暦の節分です。節分について今更説明の必要はないと思いますが、翌日2月4日は立春です。しかし節分が年4回あることは案外知られていません。立春、立夏、立秋、立冬の前日がすべて節分です。立春から新年という習慣も昔はありました。旧暦では、立春に最も近い新月を元日とし、月の満ち欠けを基準にした元日(旧正月)と、太陽黄経を基準にした立春は、ともに新年ととらえられていたのです。したがって、旧暦12月末日(大晦日)と立春前日の節分は、ともに年越しの日と意識されていたのです。ただ、現在の節分は旧暦ではなく新暦のため、この考え方はなくなってしまったのですが、なんとなく立春から新年という感覚だけが残っていたのです。
旧暦の習慣を新暦の日にそのまま移動するとこうした不適合が起こるのです。
ちなみに今年の旧暦2月4日は新暦の2月23日の天皇誕生日と一致します。もしこの日を立春とすると、直近の新月は旧暦2月1日、新暦2月20日が元旦です。ただややこしいのは、本式の旧暦だと今年は閏1月が入ります。そのため旧暦2月4日はさらに1か月先の新暦3月20日になります。朔日は新暦3月22日と前だと新暦2月20日なので、ルール通り前にするか、直後にするか悩むところです。
なんだか不合理のような気もしますし、新暦3月20日は翌日が春分で、まさに春の始まりですから、ちょうどよいような気にもなります。
正月を月の満ち欠けで決めるとこうしたずれがでますが、これは何も日本だけのことではなく、中華圏の暦でも起こりますし、西洋のイースターも同様のことが起こり、今でも復活祭の日程は毎年不規則です。春分の日を過ぎた最初の満月の次の日曜日とされています。これもローマ法王庁のある西方教会の規定で、東方教会は違います。ここでいう春分の日は計算上3月21日に固定されており、さらに最初の満月も、実際の天文観測で得られる日付ではなく、キリスト教会による計算上の満月が用いられています。つまりキリスト教的旧暦が使われています。現在は計算が簡単にできるようになり、毎年のカレンダーにイースターが載っていますが、昔は毎年法王庁が発表していたそうです。
暦は元々人為的に決められたものですから、歴史的な変遷があるのは当然のことです。そして物理学的な天体運動は時間の経過とはズレがあります。そもそも時間そのものが人為的に決められたことだからです。科学も人間が作りだしたもので絶対的真理ではないことを知っておきたいです。
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