Award


award

昔からあるカタカナ語ですが、近年増えてきたような感じの語がアワードです。英語のawardはカタカナで示すならアウォードですが、誰がいい始めたのか、アワードとして定着してしまいました。中にはビジネス関係の解説文にビジネス用語として紹介し、わざわざ語源まで紹介し、awardはaとwardに分けられ、wardは観察するという意味だと説明しています。それならどうして英語のwardはワードとは発音しないことを説明しないのか不思議です。ワードに近いのはwordの方で、こちらも普及しています。ローマ字読みなら、こちらをウォードと読むなら、まだわかります。

中学で習うbe動詞のwasも標準的にはウォズが近いのですが、実際にはワズに近い発音のネイティブもいるので、日本人がワズと発音しても問題はありません。細かいことに拘る方のために敢えて説明すると、この母音は日本語のオとアの真ん中の音なので、どちらともとれるといえます。さらに正確にいえば、日本語にはない母音です。このwasという語はいろいろな英語の人が頻繁に使うので、それだけバリエーションも多いのと、文法上、位置がはっきりしているため、多少の音のずれがあっても誤認されることはまずありません。似たような感じの語にwantがあり、学校で習う時はウォントと発音していると思います。ワントという人はまずいないでしょう。しかし英会話でwant toをウォント・トゥと発音することはなく、せいぜいウォントゥと1語のようになります。普通はwannaという俗語が普及しています。この英語に対して日本ではワナと習うようです。本当はwantと同じ母音です。どうやらウォなのかワなのかは日本に持ち込んだ人の感覚のようです。日本語として考えた場合、ウォという音は英語学習の結果、出来上がった新しい音のようです。文字にすると小さいウがつくので拗音の1種といえます。こういう新しい拗音は戦後に急速に外来語として広がり、現在の日本英語を形成しています。昔はチと発音していたtiをティ、toや最後のtをトゥと発音するようになりました。英語のpartyをパーテーとかパーチーをいえば笑う人が多いでしょう。それでもfanはファンか、フアンかまだ揺れています。切符はチケットでしょうか、ティケットでしょうか。このようにア行の拗音はまだ完全に安定はしていませんが、新しいカタカナ語はほぼア行拗音になっています。

しかしアワードが日本で使われるようになったのは、かなり最近なので、このカタカナ語を導入した人は元の英語を知らなかったのかもしれません。

さてここでクイズです。ハリーポッターが持っている魔法の杖をwandといいます。まだ日本ではなじみのない単語でしょう。ワンドでしょうかウォンドでしょうか。前者は米語、後者は英語です。原作英国、映画はハリウッド製です。

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