沿岸警備隊と海上保安庁
「昭和23年5月1日、海上保安庁は、運輸大臣の管理する外局(※)として設置され、同月12日、初代長官大久保武雄氏の手により、庁舎屋上に初めて庁旗が掲揚されました。(※現在は国土交通省の外局となっています。)以来、海上保安庁では、5月12日を「開庁記念日」と定めました。(海上保安庁ホームページより)(https://www.kaiho.mlit.go.jp/04kanku/contents/blog/001107.html)
「創設時の旧組織はアメリカの沿岸警備隊(コーストガード)をモデルに設立された2000年(平成12年)から「海上保安の日」に改称された。」(Wikipedia)
現在でも海上保安庁は国土交通省の所管であり、自衛隊とは別組織です。モデルとしたアメリカでは軍の一部であり、ほとんどの国で、沿岸警備隊や国境警備隊は軍または準軍備組織です。日本の海上保安庁は海上保安庁法第一条で「第一条 海上において、人命及び財産を保護し、並びに法律の違反を予防し、捜査し、及び鎮圧する」とあり、また第二十五条で「この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない。」とあるので警察と似た任務と解釈されていることが多い。しかし自衛隊法第80条により「自衛隊の防衛出動や治安出動があった際に特に必要な場合には、内閣総理大臣の命令により防衛大臣の指揮下に組み入れられる可能性がある。これは、初期の海上保安庁(後に海上警備隊を経て海上自衛隊が創設される)の設立モデルとなったアメリカ沿岸警備隊が、戦時にはアメリカ海軍の指揮下に入って軍隊として運用される規定に倣ったものである。ただし、防衛大臣の指揮下に入った場合でも、その行動範囲や活動権限は特に通常時と変わらない(特に武器の使用については、あくまでも警察官職務執行法に従わなければならない」とされていて、海上自衛隊の指揮下に入ることもある。その場合は、軍事組織とみなされ、軍事攻撃を受ける可能性もあるが、、ジュネーヴ諸条約第一追加議定書第43条3項に「紛争当事者は、準軍事的な又は武装した法執行機関を自国の軍隊に編入したときは、他の紛争当事者にその旨を通報する」旨が規定されており、通告がない状態だと「文民」扱いであって、他国はこれを攻撃してはならない、とされています。
現在、尖閣諸島の警備は海上保安庁がしており、これは日本の領海であるからです。これを他国の軍は国際法上、攻撃できないわけです。中国の海警は同じく沿岸警備隊であり、武装警察ですから、同じく領海内の警備しかできません。この規定を逆手にとって、海警局が警備活動をしているのは領海であるとの解釈を推し進めようとしています。この論理でいけば、日本の中で警察活動をすれば、そこは領土だ、という主張もできることになります。そうなると一体、領土とはなんだ、国家主権とは何だ、ということになってきます。もし海警や海外の警察が攻撃を受けた場合は「文民」への攻撃なので、救出のために軍を派遣することが可能にもなります。
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