サービス service(2)
サービスという語についてのお話の続きです。
球技のサービスは無料ですが、これは値段が問題ではなく、最初に打つ球のことです。近代スポーツではサービスが攻撃的であり、これでポイントをとるのですから、善意で相手に何かを提供することではありません。球技の場合、サービスという名詞ではなくサーブserveという動詞で表現されることもあります。スポーツ以外でも、レストランなので料理を運ぶことをサーブということが多いようです。配膳という日本語がむずかしいのでしょうか。それとも英語の方がかっこいいからなのでしょうか。料理をお出しする、という丁寧な言い方の店もあるようです。とくに和食店ではサーブとはいわないと思います。最近、CMなどで見るビールサーバーやウオーターサーバーという道具も料理のサーブと同じ意味から来ていると思いますが、配膳する人間をサーバーということはないように思いますが、もしかすると、あるのかもしれません。
情報世界のサーバserverは無料のところもありますが、基本は有料で、「お試し」として無料提供しているので、「試供品」といえます。一般社会ではサーバーというのが多いと思いますが、工学部系では長音をつけない習慣なので、「サーバ」と呼んでいます。おもしろいのは、日本語では専門用語になるとアクセントの位置が変わり、最終音節が高音化します。文字表現が難しいのですが、「サーばあ(ひらかなが高い音)」となります。普通は「さあバー」です。ルータも「ルーたあ」のように後ろにアクセントが来るのが専門家の符牒(ふちょう)です。
サービス付老人施設という宣伝も目につくようになりました。ここでいるサービスというのはデイサービスのことを指しているようで、デイサービスとは通所介護と定義されています。介護は英語ではnursing careといい日本ではケアと呼んでいますが、デイケアもデイサービスも併用されています。似ているので誤認されやすいのですが、専門的には区別されており「デイサービスとは「通所介護」のことです。要介護1~5に認定された方が利用することができ、」「デイケアとは「通所リハビリテーション」のことです。病院や介護老人保健施設(老健)に併設していることが多く、利用できるのは要介護1~要介護5の人のうち、医師によって専門的なリハビリが必要と判断を受けた方のみです。」と説明されていて、内容にかなりの違いがあることは理解しておく必要があります。(https://kaigo.homes.co.jp/manual/homecare/zaitaku_service/dayservice/hikaku/)
ホテルの中には「サービス料」を徴収するところが多いです。これは、元々、ホテルや旅館のノーチップ制の代替策として、利用料金から一定の割合で奉仕料を請求するものだそうです。昔は中居さんに「心づけ」を渡す習慣がありました。サービス料は当初、チップの代理収受という考え方が基本でしたが、現実には、従業員に還元されることはなく、ホテルの収入の一部としての認識が定着しているので、チップとは異なります。売り上げの一部なので消費税が課税されます。
日本はサービス業という業態が多いのですが、ここでいうサービスも意味が広いです。
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