相互微小伝達 Interactive Micro Communications
相互微小伝達、略して相微伝達は私の造語です。概念を明らかにするために英語の命名もしておきます。Interactive Micro Communicationsです。この概念はいわゆるマスコミmass communicationsに対比するために考えた概念です。現実には昔からあるものですが、視点を強調するために新語を造語しました。
マスコミに対する批判が近年増していますが、その原因の1つが発信する側が意図的なプロパガンダとして利用していることがあります。マスコミとは大量伝達、つまり一度に大量の情報を流すことであり、その特徴は一方的であることです。情報の発信は、すべての情報を発信することは不可能で、そこに選択性と創造性があります。ことばで表現すれば、当然、表現者の意図が具現化されます。写真や動画でも切り取りや加工によって、意図が具現化されます。受信者はそれらの情報を受信して反応するわけです。
情報の発信は一人でもできます。一人が大勢に語り掛ければ、それなりの量の発信になりますが、パーティでの会話、辻説法など、直接対話している場面での情報発信の情報量はそれほど多くありません。いわば少量伝達です。昔の政治家や宗教家はそういう少量発信でした。しかしこの発信手段は時間や場所の物理的制限があり、同じ人が同じような話をしても、微妙な違いがでてきます。またその場の受信者からも質問がでたり、対話となることがしばしばです。いわば「双方向」の伝達手段となることがしばしばあります。そうした対話情報を記録し、残しておくことで、さらに多くの人々に情報伝達をしていくことができます。それが大量伝達です。文字による記録は量的な拡大だけでなく、時間や場所といった物理的制約を超えることができます。とはいえ、文字による情報伝達では記録媒体と記録方法により制約が異なります。石板や粘土板、木簡などに書き記している段階では、拡散する量に制限があります。それでも重要な情報が記録され、文献化されてきました。同時に最初に記録されたものに次の記録者が解釈を加えるなどの新文献も登場します。そのまま原本を写した写本というのもあります。写本と解釈本がでることで、情報が豊かになることで、創造性が増す一方で、選択性も増え、誤情報も増えます。量の拡大に伴う欠点が顕在化します。
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