混合のさまざまな形態
混合とはある物とある物を混ぜ合わせることですが、その混ぜ合わせ方に違いがあります。
たとえば英語でblendingという場合、異なる成分または物質を組み合わせて均一な混合物を作成することで、そのプロセスも含みます。たとえば色を混ぜ合わせて新しい色合いや色相を作成する場合などですが、コーヒー豆などを混ぜ合わせてコーヒーを淹れることも示します。
似たような混ぜ合わせ方ですが、mixingとは、均質な混合物を作り出すために異なる物質または成分を一緒に組み合わせることです。均一と均質という違いは微妙なので、よく混同されます。正確に表現すると、一貫したブレンドを作成するために材料を一緒に攪拌または攪拌するプロセスをmixingといいます。実際の作業ではよく似ているし、結果もあまり違わないので、日常的には使い分けなくても問題はなさそうです。この2つの混ぜ合わせ方とは別に、化合あるいは合成compoundingという作業もあります。化合または合成とは人工的に2種類以上の物質から新しい物質を作ることで、その結果、できたものが化合物あるいは合成物です。たとえば水素と酸素が化合して水になる、ということです。厳密には、化合とは化学用語であり、化学合成のことで、物質の結合が科学的である、というのが本来の意味です。最近話題のchatGPTは化学ではありませんが、電子的合成の1つです。Generative Pretrained Transformerの略語で、この用語には合成と言う表現がなく、商品名やその会社名に意味が拡大されて、意味が曖昧になってきています。
混ぜ合わせ方には融合fusionというのもあります。言葉として難しそうですが、内容は簡単で、二個以上のものがとけあって一つになること、溶かして1つにすることです。物質同士が物理的に溶け合う場合にも使われますが、文化が溶け合って1つなるなど比喩的に使うことも多いです。
混ぜ合わせ方には統合integrationというのもあります。統合とは、二つ以上のモノを合わせて、一つにすることを表します。ここでいうモノとは、たとえば組織であったり、何かのデータであったり、幅広い範囲を示します。IC(集積回路)はIntegrated Circuitの省略ですから、直訳だと統合回路です。主にシリコンなどの半導体材料で作られており、シリコン内にそれらの電子部品が形成され、表面には層状に配線が施されています。よく見る画像だと配線ばかりが目立つので、誤解されそうですが、重要なのは半導体の方で、現在の世界の経済戦争の原因になっています。
混ぜ合わせ方とは違うのですが、2つ以上の物質を1つにする方法には結合combinationというのもあります。しかし化学合成というのは、原子の結合であり、結合と合成の違いは微妙なのです。客観的に見れば、2つ以上の物質を1つにする作業に違いはないのですが、その結果や過程の違いが命名の違いとなっています。逆にいえば、その違いが分野によって重要だということになります。面倒かもしれませんが、違いを丁寧に理解することが専門知識をより深く理解することにつながります。
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