選挙の語源



「選挙」という言葉は、中国の古典に由来しています。「選」は「選ぶ」という意味で、「挙」は「挙げる」という意味です。これらの漢字が組み合わさることで、「選び挙げる」、すなわち「候補者を選び出す」という意味が生まれました。この概念は古代中国の官僚制度において、官僚を選抜するための方法として用いられていました。日本においても、古代から官僚や役人を選ぶための制度が存在していましたが、現代のような選挙制度が確立されたのは近代以降のことです。

日本の選挙制度の歴史は、明治時代に遡ります。1868年の明治維新以降、日本は急速に近代化を進め、西洋の政治制度を取り入れました。1889年に大日本帝国憲法が制定され、1890年には初めての衆議院議員総選挙が行われました。この選挙は、制限選挙であり、一定の納税額を満たす男性のみが選挙権を持っていました。その後、1925年に普通選挙法が成立し、納税額に関係なく25歳以上のすべての男性に選挙権が与えられました。さらに、1945年の第二次世界大戦終結後、1946年には女性にも選挙権が認められ、男女平等の普通選挙が実現しました。戦後の日本では、1947年に日本国憲法が施行され、民主主義の原則に基づく選挙制度が確立されました。これにより、国会議員の選挙だけでなく、地方自治体の首長や議員の選挙も行われるようになりました。

現代の日本の選挙制度は、国政選挙と地方選挙に大別されます。国政選挙には、衆議院議員総選挙と参議院議員通常選挙があります。衆議院議員総選挙は4年ごとに行われ、参議院議員通常選挙は3年ごとに半数が改選されます。地方選挙では、都道府県知事、市町村長、地方議会議員の選挙が行われます。これらの選挙は、地域住民が直接投票することで行われ、地方自治の重要な要素となっています。

世界の選挙制度はいろいろあります。アメリカは「大統領制」を採用しており、国民が直接大統領を選出します。大統領選挙は4年ごとに行われ、選挙人団制度を通じて間接的に選ばれます。各州の選挙人の数は、その州の人口に基づいて決定されます。イギリスは「議院内閣制」を採用しており、国民は下院(庶民院)の議員を選出します。下院の議員は単純小選挙区制で選ばれ、最大任期は5年です。首相は下院の第1党の党首が務めます。ドイツは「連邦議会制」を採用しており、国民は連邦議会の議員を選出します。選挙は比例代表制と小選挙区制を組み合わせた混合制度で行われます。連邦議会の議員は4年ごとに選ばれ、連邦議会が首相を選出します。フランスは「半大統領制」を採用しており、大統領と首相の両方が存在します。大統領は国民の直接選挙で選ばれ、任期は5年です。首相は大統領によって任命され、議会の信任を受けます。オーストラリアは「議院内閣制」を採用しており、国民は下院の議員を選出します。選挙は義務投票制であり、18歳以上の国民は必ず投票しなければなりません。投票しない場合は罰金が科せられます。スウェーデンは義務投票制を採用していませんが、投票率は非常に高いです。これは教育制度が充実しており、若い世代に政治参加の重要性を教えているためです。

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